認定NPO法人とは?認定要件(PST)と寄附者・法人の税制優遇を解説

「NPO法人を運営しているが、もっと寄附を集めたい」「寄附してくれる人にメリットを用意できないか」——そんなときに検討したいのが認定NPO法人です。認定を受けると、寄附した人や会社に税制上の優遇が付き、寄附を格段に集めやすくなります。 この記事では、認定NPO法人になるための要件(最大の関門であるパブリック・サポート・テスト)と、寄附者・法人が受けられる税制優遇を、会社設立・法人手続きを数多く扱う世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が分かりやすく解説します。

認定NPO法人とは——通常のNPO法人との違い

認定NPO法人とは、NPO法人(特定非営利活動法人)のうち、運営や実績が一定の基準を満たすものとして所轄庁(都道府県知事など)の認定を受けた法人です。平成24年(2012年)に始まった制度で、いわば「NPO法人の中でも、公益性と信頼性が特に高いと認められた法人」です。 通常のNPO法人との一番の違いは、税制優遇です。認定を受けると、寄附者への優遇や法人自身への優遇が受けられ、活動資金を集めやすくなります。法人の種類全体の中での位置づけは、法人・組合の種類と違い一覧|会社・一般社団・NPO・協同組合を比較もあわせてご覧ください。

認定の最大の関門「パブリック・サポート・テスト(PST)」

認定の要件で最も重要なのが、パブリック・サポート・テスト(PST)です。これは「その法人が広く市民から支援されているか」を、寄附の集まり具合で測るものです。次の3つの基準のいずれかを満たせばクリアできます。
  • 相対値基準:総収入(経常収入)に占める寄附金等の割合が5分の1以上
  • 絶対値基準年3,000円以上の寄附者が、年平均100人以上
  • 条例個別指定基準:事務所のある都道府県・市区町村の条例で、寄附金税額控除の対象法人として個別に指定されている
どれを選ぶかは法人の状況によります。小口の寄附者を多く集める団体は絶対値基準が使いやすい、といった判断になります。
(認定の基準)第45条
所轄庁は、前条第一項の認定の申請をした特定非営利活動法人が次の各号に掲げる基準に適合すると認めるときは、同項の認定をするものとする。
一 広く市民からの支援を受けているかどうかを判断するための基準として次に掲げる基準のいずれかに適合すること。
(以下略)
特定非営利活動促進法 第45条第1項第一号(認定の基準・パブリック・サポート・テスト)

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

PST以外の主な認定要件

PSTのほかにも、次のような要件があります(主なもの)。
  • 事業活動や運営組織・経理が適正に行われていること
  • 事業活動の内容が適正で、宗教活動・政治活動などが一定の範囲内であること
  • 情報公開を適切に行っていること
  • 事業報告書等を所轄庁に提出していること
  • 法令違反や税金の滞納などがないこと
  • 設立の日から1年を超える期間が経過していること

税制優遇①:寄附する人・会社へのメリット

認定NPO法人の最大の魅力が、寄附者側の税優遇です。

個人が寄附した場合

個人が認定NPO法人へ寄附すると、確定申告で「税額控除」か「所得控除」を選べます。多くの場合は税額控除が有利で、計算式は次のとおりです。 税額控除額 =(その年の寄附金の合計額 − 2,000円)× 40% ただし、税額控除額は、その年の所得税額の25%が上限です(寄附金の合計額は総所得金額の40%が上限)。さらに、都道府県・市区町村が条例で指定していれば、個人住民税の控除も受けられます。

法人が寄附した場合

会社が寄附した場合は、通常の寄附金の損金算入枠とは別枠で損金に算入できます(特別損金算入限度額)。節税をしながら社会貢献ができるため、企業からの寄附を呼び込みやすくなります。

相続財産を寄附した場合

相続や遺贈で取得した財産を認定NPO法人へ寄附すると、その財産には相続税がかかりません

税制優遇②:認定NPO法人自身へのメリット(みなし寄附金)

優遇は寄附者だけではありません。認定NPO法人が収益事業で得た利益を、本来の特定非営利活動のために使った場合、その金額を「寄附金」とみなして損金に算入できます(みなし寄附金)。 その限度額は、所得金額の50%、または年200万円のいずれか多い額までです。収益事業の利益を本業の活動に回すほど、法人税の負担が軽くなる仕組みです。

設立5年以内なら「特例認定NPO法人」も

「まだ設立して間もなく、寄附の実績(PST)を満たせない」——そんな新しい法人のために、特例認定NPO法人という制度があります。設立から5年以内のNPO法人は、PSTを免除された「特例認定」を1回だけ受けられ、先に税制優遇をスタートできます。 有効期間は3年で、この間に寄附の実績を積み、本来の認定を目指します。

認定を受けるには(所轄庁・有効期間)

認定は、主たる事務所のある都道府県知事(事務所が一つの指定都市の中だけにある場合は指定都市の長)に申請します。認定の有効期間は5年で、継続するには更新が必要です。申請では直前の事業年度(本来の認定は原則2年分、更新時は5年分)の実績が審査されるため、日頃から会計・寄附記録・情報公開を整えておくことが欠かせません。

NPO法人・認定の無料相談を受け付けています

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、NPO法人の設立から認定NPO法人の申請準備(パブリック・サポート・テストの見込み確認・書類整備・情報公開体制づくり)まで、非営利活動を一貫してサポートしています。「認定を取れる見込みがあるか知りたい」という段階からのご相談も歓迎です。無料相談はお電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームから。オンライン相談にも対応しております。

出典

会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。