会社の事業目的の書き方|許認可に必要な文言と定款記載の注意点
会社を設立するとき、定款に必ず書かなければならないのが「事業目的」です。「何を書けばいいのか」「いくつまで書けるのか」「あとで増やせるのか」——設立準備を進める中で、多くの方がこの目的欄で手が止まります。
事業目的は、単なる会社の紹介文ではありません。許認可が必要な事業では、目的欄の文言そのものが許可の要件になることもあり、書き方を誤ると設立後に思わぬ手戻りが生じます。この記事では、会社の事業目的の書き方を、定款のルールから許認可との関係、変更の手続きまで、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が具体例つきで解説します。
事業目的とは(定款の絶対的記載事項)
事業目的とは、その会社がどんな事業を行うのかを定款に記載したものです。会社法では、目的は定款に必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」とされ、記載を欠くと定款そのものが無効になります。
(定款の記載又は記録事項)第27条
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
会社法 第27条第一号(目的)
会社は、原則としてこの定款に定めた目的の範囲内で活動することになります。だからこそ、設立時にどこまで書いておくかが重要になります。会社設立全体の流れは、会社設立の流れ|費用・期間・株式会社の設立手順を解説で解説しています。
事業目的の3つのルール(適法性・営利性・明確性)
登記が受理される事業目的には、次の3つの要件が求められます。かつては「具体性」も厳しく問われましたが、現在は運用が緩和され、この3点が中心です。
- 適法性……法律や公序良俗に反しないこと。違法な事業や、法律で会社が行えない業務は書けません。
- 営利性……利益を得ることを目的とする事業であること。純粋なボランティアや政治活動などは、営利を目的とする会社の目的になじみません。
- 明確性……誰が読んでも意味が分かる言葉で書くこと。一般に通用しない造語や、意味の不明確な表現は避けます。
たとえば「各種コンサルティング」だけでは漠然としますが、「経営コンサルティング業務」とすれば明確性を満たします。判断に迷う表現は、法務局で事前に確認しておくと安心です。

許認可が必要な事業は「目的の文言」が要件になる
事業目的でとくに注意したいのが、許認可を取る予定がある場合です。多くの許認可は、申請の前提として「定款の事業目的にその事業が入っていること」を求めます。目的に書かれていないと、会社はできても許可が取れない、という事態になりかねません。
- 建設業許可……「建築工事業」「土木工事業」など、営もうとする業種に対応した目的
- 宅地建物取引業(宅建業)……「宅地建物取引業」の記載
- 古物商許可……「古物営業」「中古品の売買」など
- 飲食店・食品関係……「飲食店の経営」「食品の販売」など
- 人材派遣・有料職業紹介……「労働者派遣事業」「有料職業紹介事業」
許認可事業で目的の文言が足りないと、設立後に目的変更(登記のやり直し)が必要になり、余計な費用と時間がかかります。 許認可と会社設立をセットで考える進め方は、許認可が必要な事業の会社設立|設立と許可をセットで設計するコツ 2026年版でくわしく解説しています。
将来の事業も入れておく/書きすぎの注意
事業目的は、設立時に実際に行う事業だけでなく、将来行う可能性のある事業も入れておけます。あとから追加すると費用がかかるため、数年先を見据えて記載しておくのが実務のコツです。
一方で、関連性のない事業をむやみに並べすぎるのも考えものです。目的の数に法律上の上限はありませんが、あまりに雑多だと「この会社は結局何をする会社か」が取引先や金融機関に伝わりにくくなります。融資審査では事業目的も見られるため、本業を軸に10個前後で整理するのが一つの目安です。目的の最後に「前各号に附帯又は関連する一切の事業」と入れておくと、細かな周辺業務まで幅広くカバーできます。
事業目的を後から変更するには(費用と流れ)
設立後に新しい事業を始めたくなったら、事業目的を追加・変更できます。ただし、定款の変更と変更登記という2つの手続きが必要です。株式会社の場合、株主総会の特別決議で定款を変更し、決議の日から2週間以内に登記を申請します。
事業目的を変更する手続きの流れ
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- ステップ1 株主総会の特別決議
- 変更後の事業目的を株主総会で決議します(議決権の過半数を持つ株主が出席し、その3分の2以上の賛成が必要)。決議内容は議事録に残します。
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- ステップ2 変更登記の申請
- 本店所在地を管轄する法務局へ、目的変更の登記を申請します。登録免許税は3万円(同時に他の変更登記もまとめて申請すれば1件分で済みます)。
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- ステップ3 登記完了・許認可の確認
- 登記が完了したら登記事項証明書で反映を確認します。許認可事業を追加した場合は、続けて許可申請の準備に進みます。
変更登記の登録免許税は、変更する目的の数にかかわらず一律3万円です。司法書士へ登記を依頼する場合は別途報酬がかかります。当事務所では、目的の設計から設立、許認可の取得まで一貫してご相談いただけます(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。
まとめ
事業目的は、会社の活動範囲を定める大切な定款の記載事項です。適法性・営利性・明確性の3要件を満たし、許認可事業では必要な文言を漏らさず、将来の事業も見据えて整理することが、後の手戻りを防ぐポイントになります。
会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。
事業目的の書き方のご相談は無料相談から
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、会社設立にあたっての事業目的の設計を、将来の許認可取得まで見据えてサポートしています。「この事業をやるにはどんな目的を書けばいい?」「許可に必要な文言が入っているか不安」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。




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