経営事項審査(経審)とは|点数の仕組みと申請の流れ 2026年度

「公共工事の入札に参加したい」——建設業許可を取得された事業者の方が、次のステップとして必ず突き当たるのが経営事項審査(経審)です。

ただ、「P点」「Y点」「経営状況分析」など聞き慣れない言葉が並び、何のための手続きで、何から始めればいいのかが分かりにくい——そこで足踏みしてしまう方が少なくありません。

この記事では、経審とは何か、点数(総合評定値)の仕組み、申請の流れ、費用と有効期間までを、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所がかみ砕いて解説します。

経営事項審査(経審)とは

経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事を、元請として直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。会社の経営規模・経営状況・技術力・社会性などを、国が定めた客観的な基準で数値化します。

なぜ必要なのか。公共工事は税金で行われるため、発注者は「この会社に任せて大丈夫か」を客観的な物差しで判断する必要があります。その物差しが経審であり、算出された点数(総合評定値)が、各発注機関の入札参加資格(ランク付け)の基礎になります。

ここで大切な前提があります。経審を受けるには、建設業許可を持っていること、そして毎年の決算変更届(事業年度終了届)を提出していることが必須です。 決算変更届を溜めていると経審の受審そのものができませんので、まずはこの土台を固めておく必要があります。決算変更届については決算変更届とは|建設業の提出期限・必要書類・罰則を解説で詳しく解説しています。

総合評定値(P点)の仕組み

経審で最終的に算出される総合的な点数を総合評定値(P点)と呼びます。P点は、5つの評点を次の計算式で組み合わせて算出されます。

総合評定値(P)=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W

5つの評点の中身は次のとおりです。

評点評価する内容ウエイト
X1完成工事高(工事の売上規模)25%
X2自己資本額・平均利益額(財務の厚み)15%
Y経営状況(経営状況分析の結果)20%
Z技術力(技術職員数・元請完成工事高)25%
W社会性等(保険加入・法令遵守・建設機械など)15%

ポイントは、X1(完成工事高)とZ(技術力)が25%ずつと最もウエイトが大きいことです。点数を上げたい場合、この2つ——工事高と、資格を持つ技術職員の数——が効いてきます。加えて、W(社会性)は社会保険への加入や退職金制度の整備などで着実に加点でき、比較的取り組みやすい項目です。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

経審の申請の流れ

経審は、大きく次の流れで進みます。「経営状況分析」と「経営規模等評価」の2つをセットで受けて、はじめて経審を受けたことになる点が重要です。

  1. ステップ1 決算変更届の提出

    その年度の決算変更届を許可行政庁に提出します。経審はこの決算内容をもとに行われるため、出発点になります。

  2. ステップ2 経営状況分析(Y点)

    国土交通大臣の登録経営状況分析機関(民間の登録機関)に申請し、財務内容から経営状況(Y点)を分析してもらいます。ここで「経営状況分析結果通知書」が発行されます。

  3. ステップ3 経営規模等評価・総合評定値請求

    Y点の通知書を添えて、許可行政庁(都道府県知事または国土交通大臣)に経営規模等評価を申請し、あわせて総合評定値(P点)の算出を請求します。

  4. ステップ4 結果通知(P点の確定)

    審査を経て「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が交付され、P点が確定します。

  5. ステップ5 入札参加資格審査申請

    確定したP点をもとに、実際に工事を受けたい発注機関へ入札参加資格審査申請を行い、ランク付けを受けます。

費用と有効期間の目安

経審にかかる主な費用(行政庁・分析機関に支払う法定手数料)の目安は次のとおりです。

  • 経営状況分析手数料(登録分析機関へ)… おおむね1万3,000円程度【要確認:分析機関により異なります】
  • 経営規模等評価・総合評定値(行政庁へ)… 基本11,000円(1業種)+1業種増えるごとに2,500円加算

行政書士に一連の手続きを依頼する場合の報酬は別途かかりますが、書類の整合性や評点シミュレーションを含めても、法定手数料と合わせて総額でおおむね3万円〜7万円程度が一つの目安です【要確認:業種数・分析機関・依頼範囲により変動します。正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください】。

そして見落としがちなのが有効期間です。経審の結果(P点)の有効期間は、審査基準日から1年7ヶ月間。 この期間を過ぎると公共工事の請負契約を結べなくなるため、公共工事を継続的に受注する会社は、毎年、決算後に経審を受け続けるのが実務上の通例です。「有効期間が切れて入札に参加できなかった」という事態は避けたいところです。

よくあるつまずき

  • 決算変更届を溜めていて経審が受けられない……まずここが最初の関門
  • 有効期間(1年7ヶ月)を切らしてしまう……毎年のスケジュール管理が甘い
  • 技術職員の資格証明・常勤性の資料が揃わない……Z点に直結する重要書類
  • 社会保険の加入状況でW点を取りこぼす

いずれも、建設業許可の維持(決算変更届)と経審をセットで年間スケジュールに組み込むことで防げます。許可の要件そのものについては建設業許可の要件|新規取得に必要な5つの条件を解説もあわせてご覧ください。

公共工事への参入を、無料相談から

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、建設業許可・決算変更届・経営事項審査・入札参加資格申請までを一貫してサポートしています。「公共工事に参入したいが何から始めれば」「P点を上げたい」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。


出典

建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。