建設業の経営業務の管理責任者(経管)とは?要件と令和2年改正後の緩和を解説 2026年版
建設業許可を取るとき、専任技術者と並んでカギになるのが「経営業務の管理責任者」、略して「経管(けいかん)」です。「役員の中に経管になれる人がいない」「経験年数が足りるか不安」——ここが原因で許可を取れない、あるいは経管が退職して許可を維持できなくなる、という相談は後を絶ちません。
かつては経管の要件が非常に厳しく、建設業許可の最大の関門とも言われてきました。しかし令和2年10月の法改正で要件が見直され、会社の「体制」で対応する道が新設されたことで、以前より柔軟になっています。この記事では、経管の要件と改正後の緩和のポイントを、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が解説します。
経営業務の管理責任者(経管)とは
経管とは、建設業の経営を適正に行うために、会社の常勤役員などの中に置かなければならない、経営経験を持つ責任者のことです。建設業は請負金額が大きく工期も長いため、経営を任せられる経験者がいることを許可の条件としているわけです。
建設業法では、許可の基準の一つとして次のように定められています。
(許可の基準)第7条
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
建設業法 第7条第一号(経営業務の管理を適正に行う能力)
条文が「国土交通省令で定める基準」に委ねているのが特徴で、具体的な経験年数や体制の中身は建設業法施行規則に定められています。この省令の中身が、令和2年改正で大きく見直されました。
令和2年10月改正で何が変わったか
令和2年10月1日施行の改正では、経管の要件が実務に合わせて緩和されました。主な変更点は次の3つです。
- 業種区分の撤廃……以前は「許可を取りたい業種の経営経験」が原則求められましたが、改正後は業種を問わず建設業の経営経験でよくなりました。
- 経験年数の短縮……かつて他業種は7年必要とされた場面がありましたが、原則5年に整理されました。
- 「体制」で満たす道の新設……1人で要件を満たせなくても、常勤役員等と、それを補佐する担当者を組み合わせた「体制」で満たせるルートが加わりました。
これにより、経営経験が少し足りない会社でも、財務・労務・運営を支える人材をそろえることで許可の道が開けるようになりました。

経管(常勤役員等)になれる人の要件
現在の要件は、大きく分けて「1人で満たすパターン」と「体制で満たすパターン」があります。
- ① 1人で満たす(イ)……常勤の役員などのうち1人が、建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験を持つ場合。これが最も基本のパターンです。このほか、経営を補佐する立場での経験(準ずる地位)による年数要件もあります。
- ② 体制で満たす(ロ)……常勤役員等(建設業で一定年数の役員経験がある人)を置き、その人を直接補佐する担当者として、財務管理・労務管理・運営業務の経験がそれぞれある人を配置する場合。1人に経験が集中していなくても、組織全体で経営管理能力があると認める考え方です。
なお、①の経管と専任技術者は、要件を満たせば同一人物が兼ねることも可能です。ただしどちらも常勤・専任が前提のため、無理のない体制づくりが大切です。専任技術者の要件は、建設業の専任技術者(営業所技術者)とは?資格・実務経験10年・常勤性の要件を解説 2026年版で解説しています。
常勤性と経験は書類で証明する
経管も専任技術者と同じく、常勤していることと経験があることを書類で証明します。
- 常勤性の証明……健康保険証(事業所名入り)、住民税の特別徴収税額通知書など
- 経営経験の証明……過去の役員であったことを示す登記事項証明書(履歴事項全部証明書)+その期間に建設業を営んでいたことを示す工事の契約書・注文書など
登記上の役員だっただけでは足りず、その期間に実際に建設業を営んでいた裏づけ(工事実績)まで必要です。個人事業主として建設業を営んでいた期間は、確定申告書や工事の契約書で証明します。
経管の要件を確認する流れ
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- ステップ1 候補者を洗い出す
- 常勤の役員や個人事業主本人の中から、建設業の経営経験がある人を候補として挙げます。まずは1人で満たせそうな人がいるかを確認します。
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- ステップ2 経験年数を確認する
- 建設業に関し5年以上の経営経験があるかを、登記や確定申告の期間で確認します。1人で足りない場合は、体制(常勤役員等+補佐者)で満たせるかを検討します。
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- ステップ3 証明資料を集める
- 常勤性の資料(健康保険証など)と、経営経験を裏づける登記事項証明書・工事の契約書などをそろえます。期間の空白がないよう連続性を意識します。
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- ステップ4 申請書類にまとめる
- 常勤役員等の証明書などを作成し、許可申請に添付します。体制で満たす場合は補佐者の資料も必要です。判断が難しいときは行政書士に相談すると安心です。
経管が抜けたときのリスク
許可を取った後に、経管が退職・死亡などで不在になり、代わりの人をすぐに立てられないと、許可を維持できず廃業届が必要になることがあります。会社にとって最も怖いのがこの「経管の空白」です。日ごろから、後任となりうる役員に経営経験を積ませておく、体制で満たせる準備をしておくといった備えが重要になります。
まとめ
経営業務の管理責任者(経管)は、建設業に関し5年以上の経営経験を持つ常勤役員などが基本で、令和2年10月改正により常勤役員等+補佐者の「体制」でも満たせるようになりました。常勤性と経験は書類で証明する必要があり、許可取得後は経管の空白をつくらないことが会社を守るうえで欠かせません。
建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。
経管の要件のご相談は無料相談から
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、経管になれる人がいるかどうかの確認から、経営経験の証明資料のそろえ方、体制で満たす場合の設計、申請書類の作成までサポートしています。「役員の経験年数で許可が取れる?」「経管が退職しそうで不安」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。




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