建設業許可業者の年間スケジュール|決算変更届・経審・更新の期限 2026年度

建設業許可は、取った瞬間がゴールではありません。毎年の決算変更届、公共工事を受けるなら経営事項審査(経審)と入札参加資格、5年ごとの更新と、期限のある手続きが1年を通して続きます。どれか1つを落とすと、更新ができない、入札に参加できないといった形で、あとから響いてきます。この記事では、3月決算の会社を例に、許可業者の1年の流れを一覧にして整理します。

結論|「決算日」と「許可の満了日」の2つを起点に、1年を組み立てる

  • 毎年:決算日から4か月以内に決算変更届を提出します。公共工事を受ける会社は、続けて経営状況分析と経審を受けます。
  • 経審:結果の有効期間は、審査基準日(決算日)から1年7か月です。毎年の受け直しで切れ目をなくします。
  • 2〜3年ごと:国・東京都・区市町村の入札参加資格の定期受付があります。
  • 5年ごと:許可の満了日の30日前までに更新を申請します。
  • その都度:役員・営業所・技術者などが変わったら、2週間または30日以内に変更届を出します。

毎年の手続き①|決算変更届(決算から4か月以内)

許可業者は、毎事業年度が終わるたびに、工事経歴書や財務諸表などを提出しなければなりません。これが決算変更届(事業年度終了届)です。

(変更等の届出)第11条

(中略)

2 許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

建設業法 第11条第2項(決算変更届の提出期限)

3月決算の会社なら、7月31日までが期限です。提出しなかった場合は、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(建設業法第50条第1項第二号)。さらに実務では、決算変更届が1期でも抜けていると、更新や業種追加の申請が受け付けてもらえないという形で影響が出ます。提出書類の詳細は決算変更届とはで解説しています。

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毎年の手続き②|経営状況分析と経審(有効期間は1年7か月)

国や自治体の公共工事を元請として受ける会社は、経審を受けていなければなりません。経審の結果には使える期間があり、建設業法施行規則で次のように定められています。

(経営事項審査の受審)第18条の2

法第二十七条の二十三第一項の建設業者は、同項の建設工事について発注者と請負契約を締結する日の一年七月前の日の直後の事業年度終了の日以降に経営事項審査を受けていなければならない。

建設業法施行規則 第18条の2(経審の有効期間)

わかりやすく言うと、経審の結果は審査基準日(決算日)から1年7か月有効です。3月決算の会社なら、令和8年3月31日を基準日とする結果は令和9年10月31日まで使えます。次の決算から7か月以内に新しい結果通知を受け取らないと、その間は公共工事の契約ができない空白期間が生じます。

経審の前には、登録経営状況分析機関で経営状況分析(Y点)を受け、決算変更届を済ませておく必要があります。つまり毎年、決算 → 決算変更届 → 経営状況分析 → 経審を7か月の中で回すことになります。空白期間の防ぎ方は経審の有効期限は1年7か月で詳しく解説しています。

3月決算の会社の年間スケジュール

3月決算で公共工事も受ける会社を例に、1年の流れを一覧にしました。決算月が違う会社は、月を読み替えて使えます。

時期手続きポイント
3月31日決算日(経審の審査基準日)工事経歴書のために、1年分の工事の記録を整理しておきます
5〜6月税務申告の完了後、財務諸表を建設業用に組み替え税務申告は税理士と連携します
6〜7月労働保険の年度更新・社会保険の算定基礎届社会保険労務士の業務です
7月31日まで決算変更届の提出決算から4か月以内
7〜8月経営状況分析の申請(Y点)分析機関の結果通知が経審の申請に必要です
8〜9月経審の申請前年の結果が10月31日に切れる前に、新しい結果通知を受け取ります
秋〜冬(2〜3年ごと)入札参加資格の定期受付新しい経審の結果で申請できるよう、日程を逆算します
満了日の2か月前〜30日前(5年ごと)許可の更新申請東京都の受付期間です

2〜3年ごとの手続き|入札参加資格の定期受付

公共工事の入札に参加するには、発注機関ごとの競争入札参加資格が必要です。資格には期間があり、期間の切れ目に定期受付が行われます。

  • 国(国土交通省など):資格は2年ごとで、令和9・10年度の定期受付は令和8年11月に開始すると国土交通省が発表しています。
  • 東京都:資格は2年ごとで、令和9・10年度の分は令和8年秋が受付の時期です。東京都電子調達システムで日程を確かめましょう。
  • 特別区(23区):特別区協議会の共同受付で、資格は3年ごとです(直近は令和7・8・9年度の分を令和6年10月〜12月に受付)。

定期受付を逃すと、次の随時受付まで入札に参加できないことがあります。今年(令和8年)は、ちょうど国と東京都の定期受付が重なる年です。経審の結果が新しいものになっているかも、あわせて確認しましょう。

5年ごとの手続き|許可の更新

建設業許可の有効期間は5年です。更新を受けなければ、期間の満了で許可は効力を失います。

(建設業の許可)第3条

(中略)

3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

建設業法 第3条第3項(許可の有効期間)

東京都知事許可の場合、更新の申請は満了日の2か月前から30日前までに行います。満了日を1日でも過ぎると、許可が失効し、新規で取り直すことになり、その間は500万円以上の工事を請け負えません。更新の前には、5年分の決算変更届がすべて出ているかを必ず確かめましょう。

その都度の手続き|変更届の期限(2週間・30日)

年間の予定とは別に、会社の中身が変わったときには変更届が必要です。期限は変更の内容によって2種類あります。

期限主な変更の内容
30日以内商号、営業所の名称・所在地、資本金、役員などの変更(建設業法第11条第1項)
2週間以内経営業務の管理責任者・営業所技術者の交代、欠格要件に該当したとき(同条第4項・第5項)
決算変更届と一緒に使用人の数などの変更(同条第3項)

とくに経営業務の管理責任者や営業所技術者の退職は、2週間という短い期限で、代わりの人がいなければ許可の要件を欠くことになります。変更届の書き方は建設業許可の変更届とは?で解説しています。

年間スケジュールを回す流れ

毎年の手続きを漏れなく回すには、次の順で準備するのがおすすめです。

  1. ステップ1 2つの起点日を書き出す
    決算日と、許可通知書に書かれた許可の満了日を確認します。業種ごとに満了日が違う場合は、すべて書き出します。
  2. ステップ2 決算後4か月の予定を組む
    税務申告の完了日から逆算して、決算変更届の書類づくりの時期を決めます。
  3. ステップ3 経審の切れ目を確かめる
    前年の経審の結果が切れる日(決算日から1年7か月)を確認し、それまでに新しい結果通知が届くよう、経営状況分析と経審の申請日を決めます。
  4. ステップ4 入札参加資格の定期受付を確認
    国・東京都・区市町村の定期受付の年と時期を確認し、必要な発注機関に申請します。
  5. ステップ5 変更があればその都度届け出る
    役員や技術者の異動は、社内で共有する仕組みをつくっておくと、2週間の期限を逃しません。

費用と期間の目安

  • 決算変更届:東京都への提出に手数料はかかりません。書類づくりは、財務諸表の組替えを含めて2〜4週間程度が目安です。
  • 経審:経営状況分析の手数料と、経審の手数料(業種の数で変わります)がかかります。申請から結果通知までは、分析と審査を合わせて1〜2か月程度を見込みましょう。
  • 行政書士報酬:お手続きの組み合わせと業種の数によって変わります(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。

当事務所では、決算変更届から経審、入札参加資格、更新までを年間の予定表にしてお預かりし、毎年の手続きを一括してご依頼いただけます。

※税務申告は税理士、労働保険・社会保険の手続きは社会保険労務士の業務です。必要に応じて連携してご案内しています。

よくある失敗3つ

①決算変更届を数年分ためてしまう。更新の直前に気づくと、数期分の書類を一度にそろえることになり、満了日に間に合わないことがあります。

②経審の申請が遅れ、空白期間ができる。決算から7か月を過ぎても新しい結果通知がないと、公共工事の契約ができません。

③技術者の退職を2週間以内に届け出ない。代わりの人がいても届出が遅れれば違反になり、いなければ許可の要件そのものを欠きます。

まとめ

建設業許可業者の1年は、決算日と許可の満了日の2つを起点に組み立てるとわかりやすくなります。決算から4か月以内の決算変更届、1年7か月で切れる経審、2〜3年ごとの入札参加資格、5年ごとの更新、そしてその都度の変更届。どれも期限を過ぎてから気づくと取り返しにくい手続きです。年の初めに予定表をつくって、会社全体で共有しておきましょう。

建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)は、建設業許可の取得後の毎年のお手続きを承っています。無料相談はお電話(03-4500-1030)で受け付けており、オンラインでのご相談にも対応しています。

出典