建設業許可の欠格要件とは?取れない人・許可取消しから5年のルールを解説 2026年版

建設業許可の申請では、経営業務の管理責任者や専任技術者などの要件をすべてそろえても、欠格要件に一つでも当てはまると許可は一切おりません。特に見落とされやすいのが、過去の刑罰や、以前に受けた許可取消しから5年を経過しないケースです。この記事では、建設業法第8条が定める欠格要件の中身と、役員などへの波及、該当してしまったときの対処を、行政書士がかみ砕いて解説します。

建設業許可の欠格要件とは?

建設業許可には、大きく分けて「許可を受けるための積極的な要件」と「該当してはいけない消極的な要件(欠格要件)」の2種類があります。経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎などは前者にあたるプラスの要件ですが、欠格要件はいわばマイナスの要件で、一つでも当てはまると他の要件をどれだけ満たしていても許可されません。

欠格要件は建設業法第8条に定められており、あわせて許可申請書やその添付書類に重要な事項について虚偽の記載があった場合や、重要な事実の記載が欠けている場合も、許可をしてはならないとされています。うっかりの記載漏れでも不許可や、場合によっては後日の許可取消しにつながるため注意が必要です。

欠格要件の主な中身(建設業法第8条)

建設業法第8条は14の号に分けて欠格要件を列挙しています。条文の柱書と代表的な号は次のとおりです。

第8条
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 第二十九条第一項第七号又は第八号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
建設業法 第8条柱書・第一号・第二号(許可の欠格要件)

実務でよく問題になる欠格要件を、わかりやすく整理すると次のとおりです。

  • 破産して復権を得ていない(第1号)
  • 許可の不正取得などで許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない(第2号・第3号)
  • 営業停止・営業禁止を命じられ、その期間中である(第5号・第6号)
  • 禁錮以上の刑を受け、その執行を終わり(または執行を受けることがなくなり)5年を経過しない(第7号)
  • 建設業法・暴力団対策法・傷害や暴行など一定の罪で罰金刑を受け、5年を経過しない(第8号)
  • 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない(第9号)ほか、暴力団員等がその事業活動を支配する者(第14号)
  • 心身の故障により業務を適正に行えない者、法人の役員等・支配人・営業所の令3条使用人にこれらの該当者がいる法人 など

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

特に注意したい「許可取消しから5年」と役員等への波及

欠格要件で最も見落とされやすいのが、過去の許可取消しや刑罰の影響が会社全体・役員全員に及ぶ点です。法人の場合、役員(取締役等)や一定の使用人のうち1人でも欠格要件に該当すると、会社そのものが不許可になります。「社長本人は問題ないから大丈夫」と考えていても、他の取締役の過去の経歴で足元をすくわれることがあります。

また、不正な手段で許可を受けたなどの理由で許可を取り消されると、取消しの日から5年間は再取得ができません。取消処分を受けた法人の役員だった人が、別の会社を作って許可を取ろうとしても、この5年ルールがついて回ります。役員構成を決める段階で、過去の経歴を必ず確認しておくことが大切です。

申請前に欠格に該当しないか確認する流れ

欠格要件は「後から気づく」と致命的です。申請前に、次の順序でセルフチェックしておくと安心です。

  1. ステップ1 対象者を洗い出す
    法人なら全役員・一定の株主・支配人・各営業所の令3条使用人、個人なら本人と支配人を一覧にします。チェックすべき人の範囲を取りこぼさないことが第一歩です。
  2. ステップ2 過去の刑罰・処分を確認する
    禁錮以上の刑や、建設業法・暴力団対策法・傷害等の罰金刑がないか、あった場合は執行終了からの経過年数を確認します。過去の建設業許可の取消し歴も要チェックです。
  3. ステップ3 身分・信用面を確認する
    破産して復権を得ていない状態でないか、心身の故障の有無などを確認します。役員に不安要素があれば、就任時期や構成の見直しを検討します。
  4. ステップ4 必要書類と申告内容をそろえる
    登記されていないことの証明書・身分証明書などを取得し、申請書の記載と食い違いがないよう整えます。少しでも不安があれば、この段階で専門家に相談すると安全です。

該当してしまったときの対処と費用・期間の目安

欠格要件に該当している場合、原則として該当事由が消滅する(5年の経過など)まで許可は取得できません。ただし、法人であれば欠格に該当する役員に退任してもらう、営業所の使用人を差し替えるなど、構成を見直すことで解消できるケースもあります。どこまで対応できるかは事情によって異なるため、早めの確認が肝心です。

行政書士に新規許可申請を依頼する場合の費用は、証明書類の取得代行を含めておおむね10万円〜15万円程度(別途、登録免許税等の実費)が一つの目安です。欠格チェックや役員構成の整理を含むご相談も承っています(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。

なお、欠格要件のチェックは新規取得のときだけではありません。5年ごとの更新のたびに、役員等が欠格要件に該当していないかが改めて確認されます。取得後に新しく就任した役員が過去に刑罰を受けていた、といったケースでは、更新の段階で問題が表面化することもあります。役員の交代があった際は、欠格の有無もあわせて確認しておくと安心です。

該当を確認するための証明書類

欠格要件に当てはまらないことは、申請時に次のような公的書類で確認します。いずれも本籍地・住所地の役所などで取得します。

  • 身分証明書(本籍地の市区町村が発行。破産して復権を得ていない者等でないことを証明)
  • 登記されていないことの証明書(法務局が発行。成年被後見人・被保佐人でないことを証明)
  • 役員等の略歴書(賞罰の記載を含む)

これらの書類は取得に時間がかかることもあるため、申請スケジュールに余裕を持って準備しましょう。役員が多い法人ほど収集に手間がかかります。

よくある失敗

  • 過去の罰金刑の申告漏れ:本人が軽く考えていた交通事故(自動車運転過失致傷等)や暴行の罰金が、実は欠格に該当していたというケース。
  • 役員のチェック漏れ:名前だけ借りた非常勤役員の経歴を確認せず申請し、後から発覚するケース。
  • 取消し歴の見落とし:以前の会社で受けた許可取消しの影響が、5年間は個人にもついて回る点を知らずに新会社で申請してしまうケース。

これらは、いずれも申請前のセルフチェックで防げるものです。判断に迷う場合は、無許可のリスクを避けるためにも専門家への確認をおすすめします。

まとめ|欠格要件は「申請前の確認」がすべて

建設業許可の欠格要件は、他の要件をすべて満たしていても一発で不許可になる重要なポイントです。特に「許可取消しから5年」「役員1人でも該当すると会社全体が不許可」という2点は、役員構成を決める前に必ず確認しておきましょう。藤原友行政書士事務所(東京都世田谷区大原)では、建設業許可の新規取得から欠格チェックまで初回無料相談で対応しています。オンライン相談も可能です(電話:03-4500-1030)。

建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。あわせて建設業許可の要件、許可取得後に必要になる建設業許可の更新事業承継・相続の記事もご参照ください。

出典