建設業許可と社会保険の加入義務とは?未加入だと許可が取れない要件を解説 2026年版
「建設業許可を取りたいが、社会保険に入っていないと言われた」「更新のときに社会保険の書類を求められた」——建設業許可と社会保険の関係でつまずく事業者は少なくありません。
実は、令和2年10月1日の建設業法改正で、「適切な社会保険への加入」が建設業許可の要件になりました。この記事では、建設業許可と社会保険の加入義務について、法人・個人事業・一人親方それぞれの扱いや必要な確認書類まで、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が解説します。
社会保険の加入は建設業許可の「要件」
かつては社会保険に未加入でも建設業許可を取ることができましたが、現在は違います。建設業法施行規則は、許可の基準として適切な社会保険への加入を求めています。
(法第七条第一号の基準)第七条
法第七条第一号の国土交通省令で定める基準は、次のとおりとする。
(中略)
二 次のいずれにも該当する者であること。
イ 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第三項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第十九条第一項の規定による届書を提出した者であること。
ロ 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十三条第一項の規定による届書を提出した者であること。
ハ 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業の事業所に該当する全ての営業所に関し、雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百四十一条第一項の規定による届書を提出した者であること。建設業法施行規則 第7条第2号(適切な社会保険への加入)
条文が指す「適切な社会保険」とは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3つを指します。法律上の加入義務があるのに未加入の場合は、この要件を満たしません。適切な社会保険に加入していなければ、新規・更新のいずれの建設業許可も受けることができません。

事業形態によって加入義務は変わる
社会保険の加入義務は、法人か個人事業かで大きく異なります。
- 法人……従業員がいなくても、社長1人だけでも健康保険・厚生年金への加入が必要です(強制適用事業所)。人を雇えば雇用保険も加わります。
- 個人事業(従業員5人以上)……健康保険・厚生年金の加入義務があります。人を雇っていれば雇用保険も必要です。
- 個人事業(従業員5人未満)……常時5人未満なら、事業主に健康保険・厚生年金の加入義務はなく、国民健康保険・国民年金のままで申請できます(従業員を雇う場合の雇用保険は必要)。
つまり、「うちは小さいから関係ない」と思っていても、法人であれば1人でも加入が必須という点に注意が必要です。まずは自社が「適用事業所」に当たるかどうかを確認することが出発点になります。
一人親方の社会保険はどうなる?
従業員を雇わない一人親方は、労働者を使用していないため、原則として国民健康保険・国民年金に加入していれば足ります。法人化していない個人の一人親方であれば、これで社会保険の要件はクリアできます。
ただし、一人親方が法人化した場合や、従業員を常時雇うようになった場合は、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入義務が新たに発生する点に注意してください。法人成りと建設業許可をセットで考える方は、社会保険の切り替えも同時に検討しておくと安心です。
許可申請で必要になる確認書類
社会保険への加入を証明するため、申請時には次のような書類(写し)を用意します。
- 健康保険・厚生年金……保険料の納入に係る領収証書、または「健康保険・厚生年金保険 資格取得確認および標準報酬決定通知書」など
- 雇用保険……労働保険 概算・確定保険料申告書と領収済通知書、または雇用保険 適用事業所設置届の事業主控えなど
- 加入状況の届出……様式第7号の3「健康保険等の加入状況」
これらで「適用事業所として適切に加入・届出をしている」ことを示します。社会保険の適用除外に当たる場合(従業員5人未満の個人事業など)は、その旨を記載して申請します。
加入から許可申請までの流れ
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- ステップ1 自社が適用事業所か確認する
- 法人か個人か、従業員数は何人かを整理し、健康保険・厚生年金・雇用保険それぞれの加入義務を確認します。
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- ステップ2 未加入なら加入手続きをする
- 年金事務所(健康保険・厚生年金)やハローワーク(雇用保険)で加入手続きを行います。手続きの代行は社会保険労務士の業務のため、必要に応じて連携します。
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- ステップ3 加入を証明する書類を集める
- 納入証明・資格取得通知・様式第7号の3など、加入状況を示す書類をそろえます。
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- ステップ4 建設業許可を申請する
- 社会保険の要件を満たしたうえで、経営業務の管理責任者・営業所技術者などの要件とあわせて申請します。
まとめ
令和2年10月の改正以降、適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入は建設業許可の要件です。法人は社長1人でも加入が必須、個人事業は従業員5人以上で加入義務が生じ、一人親方は原則国民健康保険・国民年金で足ります。未加入のままでは新規取得も更新もできないため、まず自社の適用関係を確認し、必要なら加入手続きを済ませてから申請することが大切です。なお、社会保険の加入手続きそのものは社会保険労務士の業務のため、当事務所では社労士と連携してサポートします。
建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。あわせて建設業許可の更新手続きや経営業務の管理責任者(経管)の要件もご覧ください。
社会保険と建設業許可のご相談は無料相談から
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、建設業許可の新規取得・更新にあたっての社会保険の要件確認から、必要書類の整理、社労士との連携まで、建設業の許可実務をワンストップでサポートしています。「社会保険に未加入だが許可を取りたい」「更新の書類で困っている」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。




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