職人いきいき宣言の登録方法|申請から経審の加点までの手順 2026年版

職人いきいき宣言が経営事項審査の加点対象になったことは分かった。では実際にどこから、何を用意して申請すればよいのか。この記事は、その手順だけを取り出してまとめたものです。加点の仕組みそのものについては経営事項審査(経審)とはもあわせてご覧ください。

先に全体像をお伝えします。申請そのものはポータルサイトから完結し、書類の郵送や窓口へ出向く必要はありません。ただし掲載までに最大1か月程度かかり、加点を受けるには決算日より前に宣言を済ませておく必要があります。逆算して動くことが何より大切です。

申請の前に用意するもの

用意するもの内容
建設業許可番号大臣知事コード(2桁)と許可番号(6桁)を入力します。6桁に満たない場合は先頭に0を付けます(例:001234)。番号が分からないときは国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できます。許可をお持ちでない場合も「許可番号なし」で申請できます
会社の基本情報許可業者の場合、企業名と代表者名は建設業許可情報から自動で取得されます。内容に誤りがあるときは、先に許可行政庁へ修正を依頼してください
担当者の情報とメールアドレス確認メール・掲載通知・有効期限の案内がすべてこのアドレスに届きます。迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認できるものをご用意ください
宣言する取り組みの内容後述の必須項目から、自社が実行できるものを選びます。選択肢にない取り組みは自由入力欄(120文字まで)に記載できます

登録の全体の流れ

申請から経営事項審査での加点までは、次の順に進みます。

  1. ステップ1 制度の内容と注意事項を確認する
    ポータルサイトの「宣言の申請」ページを開き、「制度主旨と宣言手順」と注意事項に目を通します。
  2. ステップ2 申請できる会社かどうかを確認する
    暴力団員等が役員にいないこと、指示処分以上の行政処分から1年以上経過していることなどの要件を満たしているか確認します。
  3. ステップ3 宣言する立場を決める
    元請事業者・下請事業者・発注者から1つを選びます。重複はできません。経営事項審査の加点を目的とする場合は元請または下請を選びます。
  4. ステップ4 必須項目を選ぶ
    労務費の確保・建設キャリアアップシステムの活用・宣言企業との取引優先の3本柱について、自社が実行できる取り組みをチェックします。
  5. ステップ5 任意項目を決める
    必須項目に加えてアピールしたい取り組みを最大5項目まで記載できます。無記載でも宣言できます。
  6. ステップ6 取組開始日を決める
    宣言する取り組みのうち、いちばん遅く始まるものの日を設定します。申請日から1年以内である必要があります。
  7. ステップ7 サイトから申請する
    許可番号を入力して入力画面へ進み、立場・必須項目・任意項目・取組開始日・担当者情報を入力して送信します。確認メールが届きます。
  8. ステップ8 掲載を待つ
    国土交通省と事務局が内容を確認します。掲載までは最大1か月程度かかり、公開はメールで通知されます。掲載後はマイページからシンボルマークをダウンロードできます。
  9. ステップ9 経営事項審査で加点を受ける
    決算後の経営事項審査の申請時に、宣言書と誓約書(別記様式第7号)を審査行政庁に提出します。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

ステップ3 立場の選び方

宣言は1社につき1つの立場でしか行えません。元請と下請の両方で宣言することはできない、ということです。

立場選ぶ目安経営事項審査の加点
元請事業者発注者から直接請け負うことが多い会社対象
下請事業者元請から請け負い、現場に入ることが多い会社対象
発注者工事を発注する立場で宣言する場合対象外

迷ったときは現場に入る立場の比率が高いほうを選びます。半々程度であればどちらでも構いません。立場だけを後から変更することはできず、変更したい場合はいったん掲載を取り下げて再申請することになりますので、ここは最初に決めておいてください。

ステップ4 必須項目の選び方

必須項目は3つの柱に分かれています。柱ごとに「必ず回答するもの」と「1つ以上を選ぶもの(複数選択可)」があります。

柱1 労務費の確保・行き渡り等のための取組

項目回答のしかた選択肢の例
自社様式の見積書に労務費・材料費等の内訳を明示する必須回答―
下請から提出された内訳明示の見積書を考慮・尊重する1つ以上必須根拠のない値引きを行わない旨の社内通知、見積書を変更する場合の社内協議
技能者の適切な処遇を確保する取組を行う1つ以上必須技能レベルを考慮した賃金・昇格・手当、月給制、週休二日、長期夏季休暇、現場ごとの熱中症対策、快適トイレの設置、現場の土日開所
担い手の育成の取組を行う1つ以上必須資格取得のための資金補助、安全衛生等に関する研修会の定期的な実施(自社・下請それぞれ)
国が行う適正な処遇確保のための調査に協力する必須回答―

柱2 建設キャリアアップシステムの活用

ここは立場によって内容が変わります。

立場選ぶ内容
元請事業者受注した工事現場に就業履歴を蓄積できる機器を設置して履歴蓄積を行う、またはすべての現場で環境整備と履歴蓄積の促進に取り組む、のいずれかを選択します。あわせて技能者を雇用している場合は、雇用するすべての技能者について詳細型の技能者登録を行うことが必須になります(直接雇用の技能者がいない場合は選択不要)
下請事業者雇用するすべての技能者について、詳細型の技能者登録を行うことが必須です。採用後半年以内の方や申請中の方は、登録が完了していなくても差し支えありません

制度そのものの説明は建設キャリアアップシステム(CCUS)とはをご覧ください。

柱3 宣言企業との取引優先

取引先を選ぶ際に、相手が宣言をしていることを考慮する、という項目です。2社以上の見積りを取得して条件が同じであれば宣言企業を選定する旨を通知する、取引先選定規程に選定条件の一つとして記載するといった選択肢から1つ以上を選びます。

選択肢は、いわば推奨メニューです。これから取り組む内容を選んでも構いません。ただし自由入力で独自の取り組みを書いた場合、項目の趣旨と異なると判断されると申請が認められない可能性があります。迷ったら選択肢から選ぶのが確実です。なお見積り・賃金・昇格に関する項目は、取組開始日までに社内規程があることが前提とされており、支払や昇格の実績まで求められるものではありません。

ステップ6 取組開始日の決め方

  • 宣言した取り組みのうち、いちばん遅く始まるものの日を取組開始日にします
  • 申請日(=宣言日)から1年以内の日である必要があり、それより先の日は設定できません
  • 申請の時点ですべて実施済みであれば、宣言日と取組開始日を同じ日にして構いません
  • 取組開始日までに実施できなかった場合は、マイページから取り下げます。取り下げないと1年間、再申請ができなくなる場合があります

ステップ7 申請画面の進め方

操作画面でやること
①申請ページを開くポータルサイトの「宣言の申請」ページで注意事項を確認し、「申請する」に進みます
②許可番号を入力する大臣知事コードを選び、許可番号6桁を入力して「次へ(許可番号あり)」に進みます。許可がない場合は「次へ(許可番号なし)」を選びます
③会社情報を確認する許可情報から取得された企業名・代表者名を確認します
④立場を選ぶ元請・下請・発注者から1つを選びます
⑤必須項目・任意項目を入力するチェックボックスと自由入力欄で、決めておいた内容を入力します
⑥取組開始日を入力する設定した日を入力します
⑦担当者情報を入力して送信する担当者名・メールアドレス・電話番号などを入力し、注意事項を確認して申請します
⑧確認メールを受信する自動送信の確認メールが届きます。届かないときは迷惑メールフォルダをご確認ください

入力の途中で「セッション情報が取得できませんでした」と表示されることがあります。同じ画面を長時間開いたままにしている場合や、同じサイトの画面を複数開いている場合に起こりますので、ブラウザをいったん閉じ、1画面だけで入力し直してください。

掲載された後にやること

  • 社内外への宣言の周知(朝礼・社内掲示・自社サイトへの掲載など)
  • 宣言内容の実行と、定期的な見直し
  • 担当者などの登録情報が変わったときの、マイページからの登録変更
  • アンケートへの協力
  • 宣言内容と異なる状況になった可能性に気づいたときに、国土交通省・事務局からの問い合わせに速やかかつ誠実に回答すること

シンボルマークは掲載後にマイページからダウンロードでき、取組開始日以降に使えます。現場の掲出物・名刺・パンフレット・自社サイトなどに使用できますが、ガイドラインを守り、みだりに改変しないでください。

ステップ9 経営事項審査で加点を受ける

宣言をしただけでは加点されません。経営事項審査の申請時に、宣言書と誓約書(別記様式第7号)を提出してはじめて加点されます。経営規模等評価の申請には、添付書類の提出が法律上求められています。

(経営規模等評価)第27条の26

(中略)

2 経営規模等評価の申請は、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を建設業の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事に提出してしなければならない。

3 前項の申請書には、経営規模等評価に必要な事実を証する書類として国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

建設業法 第27条の26第2項・第3項(経営規模等評価の申請と添付書類)

誓約書には、宣言した日付・審査基準日・取組開始日を記入し、「取り組みを行う」か「取り組みを行っている」のどちらかを選んで、住所・商号・代表者氏名を記載して提出します。国土交通省の通知は、誓約書を提出したにもかかわらず取組開始日の到来後に宣言した取り組みを行っていない場合、虚偽申請として建設業法に違反するおそれがあると明記しています。建設業法は、経営規模等評価の申請書や添付書類に虚偽の記載をして提出したときの罰則も定めています。

第50条

1 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

(中略)

四 第二十七条の二十四第二項若しくは第二十七条の二十六第二項の申請書又は第二十七条の二十四第三項若しくは第二十七条の二十六第三項の書類に虚偽の記載をしてこれを提出したとき。

建設業法 第50条第1項第四号(申請書等の虚偽記載に対する罰則)

宣言する内容は、必ず実行できる範囲で選んでください。実行が難しくなったときに取り下げるという逃げ道が用意されているのも、この趣旨からです。経営事項審査そのものの流れは経営事項審査(経審)とは、点数の上げ方は経審の点数を上げる方法で解説しています。

決算日から逆算した段取り

加点の要件は「審査基準日(原則として決算日)が宣言日以降であること」です。したがって決算日までに申請を済ませておくことが絶対条件になります。掲載までに最大1か月程度かかることを踏まえると、次のような段取りになります。

時期(3月決算の例)やること
1月〜2月立場と宣言内容を決めて申請(この時期の申請が安全です)
2月〜3月ポータルサイトに掲載。シンボルマークの受け取り
3月31日審査基準日(決算日)
4月〜5月決算・決算変更届の提出
5月以降経営状況分析を受け、経営事項審査を申請(宣言書+誓約書を添付)

公共工事の受注をお考えの場合は、この先に入札参加資格の申請が続きます(入札参加資格審査の申請)。決算日を過ぎてから宣言しても、その期の経営事項審査では加点されません。この一点だけは、どうか動く時期をお間違えのないようにしてください。

変更・取下げ・更新のしかた

やりたいこと手続き
宣言内容を変えるマイページの「宣言内容の変更」から変更します
立場を変える立場だけの変更はできません。掲載を取り下げてから再申請します
取組開始日だけを変える取組開始日だけの変更もできません。掲載を取り下げてから再申請します
担当者を変えるマイページから変更します
所在地・代表者などを変えるお問い合わせフォームから、変更前と変更後の内容を連絡します
宣言をやめるマイページの「掲載取り下げ」から取り下げます
有効期限を延ばす有効期間は申請日の翌月を起算日として2年経過後の最初の12月末までです。3か月前にメール通知があり、期限が切れる1か月前までにマイページの更新申請から手続きします

まとめ

登録の手順そのものは、立場を決め、必須項目にチェックを入れ、取組開始日を設定して送信する、という流れで、書類の準備はほとんど要りません。難しいのは中身の選び方と時期です。実行できる取り組みだけを選ぶこと、決算日より前に申請を終えること、この2つを外さなければ、経営事項審査での加点まで一本の線でつながります。

どの取り組みなら無理なく続けられるか、自社は元請と下請のどちらで宣言すべきか、決算日から逆算していつ動くべきか。判断に迷われる部分は、決算変更届や経営事項審査のご相談とあわせて承っております。初回のご相談は無料です。お電話(03-4500-1030)またはオンラインでご相談いただけます。費用はご依頼の範囲によって変わりますので、正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示します(ご安心ください)。

建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。

出典