一般社団法人の設立方法|費用・必要書類・期間と非営利型のポイントを解説

協会や業界団体、資格の認定、地域のコミュニティ運営——「利益を分け合うのではなく、みんなで活動するための法人がほしい」。そんなときに使いやすいのが一般社団法人です。株式会社より目的の自由度が高く、比較的手軽に設立できます。 この記事では、一般社団法人の設立要件・手続きの流れ・費用・必要書類と、税金が軽くなる「非営利型」のポイントまで、会社設立・法人手続きを数多く扱う世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が分かりやすく解説します。

一般社団法人とは

一般社団法人は、「人の集まり(社団)」に法人格を与えた法人です。事業の目的に公益性は求められず、収益事業を行うこともできます。 一方で、一般社団法人は、普通型・非営利型を問わず、利益(剰余金)を社員に分配することはできません。 この点が、利益の分配を前提とする株式会社との根本的な違いです。この剰余金・残余財産の分配の禁止は、法律にも明記されています。
(定款の記載又は記録事項)第11条 (中略) 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第11条第2項(剰余金・残余財産の分配)
ほかの法人との位置づけは、法人・組合の種類と違い一覧|会社・一般社団・NPO・協同組合を比較もあわせてご覧ください。

設立の主な要件

  • 社員が2名以上:一般社団法人は、設立時に社員が2名以上必要です(社員とは、社員総会で議決権を持つ構成員のことです)。
  • 理事を1名以上置くこと(後述の「非営利型」にする場合は理事3名以上が必要です)。
  • 事業目的は自由:許認可が必要な事業でなければ、目的に制限はありません。
  • 資本金は不要:財産の拠出がなくても設立できます。
とくに、設立には設立時社員が「共同して」定款を作成することが必要で、これが社員2名以上とされる根拠になっています。
(定款の作成)第10条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第10条第1項(定款の作成)

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

設立の流れ 一般社団法人の設立は、次の順に進みます。 1. 定款の作成:法人の名称・目的・社員の資格などを定めた定款を作ります。 2. 定款の認証:作成した定款を公証人に認証してもらいます(株式会社と同様に必要です)。 3. 設立時理事の選任などの設立手続きを行います。 4. 設立登記:法務局で設立登記をして、法人が成立します。

費用の目安

一般社団法人の設立にかかる主な法定費用は次のとおりです。
  • 定款認証の手数料:5万円(このほか定款の謄本代など数千円)
  • 設立登記の登録免許税:6万円
  • なお、一般社団法人の定款は、紙でも電子でも収入印紙(印紙税)が不要です(株式会社の紙の定款に4万円の印紙が必要なのとは異なります)。
合わせて、設立の法定費用は合計およそ13万円が目安です(このほか、行政書士に依頼する場合の報酬がかかりますが、正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。会社設立の費用と比べたい方は、会社設立の流れ|費用・期間・株式会社の設立手順を解説もご参考ください。

必要書類

主な書類は次のとおりです。
  • 定款
  • 設立時社員が決定したことを示す書面、設立時理事の就任承諾書
  • 設立時理事の印鑑証明書、設立登記申請書 など

「非営利型」と「普通型」——税金の違い

一般社団法人には、法人税の扱いで「非営利型」「普通型」の区分があります。
  • 普通型:株式会社と同じく、すべての所得が法人税の課税対象になります。
  • 非営利型収益事業から生じた所得だけが課税され、会費や寄附などの非収益事業には課税されません。
非営利型(非営利徹底型)と認められる主な要件は、次のとおりです。
  • 定款に、剰余金の分配を行わない旨を定めていること
  • 解散したときの残余財産を、国・地方公共団体や公益的な団体に贈与する旨を定款に定めていること
  • 理事は3名以上で、理事のうち親族などの割合が3分の1以下であること
これらの要件は、法人税法施行令に定められています。
(非営利型法人の範囲) 第3条 法第二条第九号の二イ(定義)に規定する政令で定める法人は、次の各号に掲げる要件の全てに該当する一般社団法人又は一般財団法人(清算中に当該各号に掲げる要件の全てに該当することとなつたものを除く。)とする。 一 その定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。 (中略) 四 各理事(清算人を含む。以下この号及び次項第七号において同じ。)について、当該理事及び当該理事の配偶者又は三親等以内の親族その他の当該理事と財務省令で定める特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、三分の一以下であること。 法人税法施行令 第3条第1項第一号・第四号(非営利型法人〔非営利徹底型〕の範囲)
「非営利型」にすると税負担を抑えられるため、設立の段階でどちらの型にするかを決め、定款に反映しておくことが大切です。

設立後にすること

設立後は、毎事業年度、社員総会で決算の承認を行い、法人税等の申告をします。理事や事務所などに変更があれば、その都度、変更登記が必要です。将来、公益性の高い活動を行う場合は、行政庁の公益認定を受けて「公益社団法人」になる道もあります(別記事で解説予定です)。

一般社団法人設立の無料相談を受け付けています

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、一般社団法人の設立を、目的や「非営利型・普通型」の選択から、定款の作成・認証、設立登記後の手続きまで一貫してサポートしています。「協会を法人化したい」「非営利型にできるか知りたい」といったご相談も歓迎です。無料相談はお電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームから。オンライン相談にも対応しております。

出典

会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。