内装仕上工事業の建設業許可|リフォーム会社の要件と業種判断 2026年度
「リフォームの依頼が増えて、1件の金額が500万円を超えそうだ」「元請から許可を取ってほしいと言われた」。リフォーム会社や内装業者から、建設業許可のご相談で特に多いのがこのパターンです。ところが、いざ許可を取ろうとするとどの業種で取ればよいのかで迷う方が少なくありません。この記事では、リフォーム・内装の会社が取ることの多い内装仕上工事業について、工事の範囲、ほかの業種との境目、許可の要件を整理します。

結論|内装だけを500万円以上で請けるなら「内装仕上工事業」の許可が必要です
- 許可が必要になる金額:内装工事を1件500万円以上(税込・材料費込み)で請け負うときです。
- 業種:床・壁・天井の仕上げ、間仕切り、たたみ、ふすま、家具工事などは内装仕上工事に当たります。
- よくある誤解:「建築一式工事」の許可があっても、内装だけの工事を単独で請け負う場合は、内装仕上工事業の許可が別に必要です。
- 要件:経営業務の管理体制、営業所技術者、財産的基礎(500万円)などの要件を満たす必要があります。
内装工事に建設業許可が必要になる場面
建設業を営む人は、原則として許可を受けなければなりません。ただし、軽微な建設工事だけを請け負う場合は、許可がなくても営業できます。
(建設業の許可)第3条
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
建設業法 第3条第1項(建設業の許可)
(法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事)第1条の2
法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。
3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。
建設業法施行令 第1条の2(軽微な建設工事の範囲)
内装仕上工事は専門工事なので、基準は1件500万円(税込)以上で許可が必要です。契約を分けても合計で判断され、施主が支給した材料の価格も加えて計算します。500万円の線引きの詳しい考え方は建設業許可がいらない「軽微な工事」とは?で解説しています。
内装仕上工事の範囲|どんな工事が含まれるか
国土交通省が示す業種区分では、内装仕上工事は次のように定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事の内容 | 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 |
| 工事の例示 | インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事 |
あわせて、次のような区分の考え方も示されています。
- 家具工事:建築物に家具を据え付ける工事、または家具の材料を現場で加工・組立てして据え付ける工事です。家具を売るだけなら建設工事ではありません。
- 防音工事:建築物の通常の防音工事です。ホールなど、構造的に音響効果を目的とする工事は含まれません。
- たたみ工事:採寸・割付け・たたみの製造加工から敷き込みまでを一貫して請け負う工事です。
建築一式・大工・建具・塗装工事との境目
リフォームの現場では、いくつもの工事が組み合わさります。契約の中心になっている工事が何かで業種を判断するのが基本です。
| 業種 | 典型的な工事 | 内装仕上工事との違い |
|---|---|---|
| 建築一式工事 | 新築、増築、大規模な改修など | 総合的な企画・指導・調整のもとで建築物を建設する工事。内装だけの改修は通常これに当たりません |
| 大工工事 | 木造の骨組み、型枠、造作工事 | 木材の加工・取付けで工作物をつくる工事。床や壁の「仕上げ」が中心なら内装仕上工事 |
| 建具工事 | サッシ、ドア、シャッター、木製建具の取付け | 建具の取付けが中心なら建具工事。ふすま工事は両方に例示されています |
| 塗装工事 | 壁や天井の塗装、布張り仕上 | 塗料を吹付け・塗付けする工事。壁紙の張替えは内装仕上工事 |
「どの業種で取るか」は、これまでの工事の実績と、これから請けたい工事の両方から逆算するのが実務のコツです。水回りのリフォームで配管が中心なら管工事業、間取り変更を伴う大規模改修が多いなら建築一式工事業も検討します。29業種の全体像は建設業の業種追加とは?で解説しています。
内装仕上工事業の許可の要件
内装仕上工事業の許可要件は、ほかの業種と同じく次の5つです。
- 経営業務の管理を適正に行う能力:建設業の経営経験(常勤役員等)など
- 営業所技術者:営業所ごとに専任の技術者を置くこと(次の見出しで解説)
- 誠実性:請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
- 財産的基礎:一般建設業なら自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力
- 欠格要件に当たらないこと、そして社会保険への加入
営業所技術者になれる資格
営業所技術者は、国家資格か実務経験のどちらかで要件を満たします。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 施工管理技士 | 1級建築施工管理技士/2級建築施工管理技士(種別「仕上げ」) |
| 建築士 | 一級建築士/二級建築士 |
| 技能検定 | 畳製作・内装仕上げ施工・表装の1級(2級は合格後に実務経験3年) |
| 実務経験 | 内装仕上工事の実務経験10年以上(指定学科の卒業者は高校卒業後5年・大学卒業後3年) |
資格の一覧は営業所技術者になれる国家資格一覧でまとめています。資格がない場合の10年の証明は、注文書や請求書で内装仕上工事の実績を年ごとにそろえることになります。集め方は実務経験10年の証明方法をご覧ください。
許可取得までの流れ
東京都知事許可の場合、次の流れで進めます。
-
- ステップ1 業種の判断と要件の確認
- これまでの工事実績と今後請けたい工事から、内装仕上工事業で取るか、ほかの業種も同時に取るかを決めます。経営経験・技術者・財産の要件を満たすかを確認します。
-
- ステップ2 確認資料の収集
- 経営経験や実務経験を示す注文書・請求書、常勤を示す資料、決算書や残高証明書などを集めます。
-
- ステップ3 申請書の作成と提出
- 申請書類を作成し、東京都へ提出します。国の建設業許可の電子申請システムも利用できます。
-
- ステップ4 審査・許可通知
- 東京都の審査期間は、受付からおおむね30日程度が目安です。許可後は毎年の決算変更届と5年ごとの更新が必要です。
費用・期間の目安
- 申請手数料(東京都知事許可):新規は9万円、すでに別業種の許可を持っている場合の業種追加は5万円です。
- 書類の準備期間:資料がそろっていれば2〜4週間、実務経験10年の証明が必要な場合はそれ以上かかることがあります。
- 行政書士報酬:要件の確認、資料の収集、申請書の作成・提出まで、ご依頼の範囲によって変わります(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。
よくある失敗3つ
①建築一式工事の許可で内装工事を請けてしまう。建築一式工事の許可は、内装だけの工事には使えません。許可のない業種で500万円以上の工事を請け負うと、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になり、許可の取消しにもつながります。
②工事の名目がばらばらで実務経験を証明できない。請求書に「リフォーム工事一式」とだけ書かれていると、内装仕上工事の実績と読めないことがあります。今後の請求書には工事の内容を具体的に書いておきましょう。
③金額を分けて契約すれば大丈夫と考える。同じ工事を複数の契約に分けても、合計額で判断されます。正当な理由のない分割は認められません。
まとめ
内装だけの工事を1件500万円以上で請け負うなら、内装仕上工事業の許可が必要です。大工・建具・塗装・建築一式との境目は、契約の中心となる工事で判断します。営業所技術者は建築施工管理技士・建築士・技能検定、または実務経験10年で要件を満たせます。まずは、これまでの実績でどの業種が取れるかを確かめるところから始めましょう。
建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、業種の判断と要件の確認から、確認資料の収集、東京都への申請、許可後の決算変更届まで、一括してご依頼いただけます。無料相談はお電話(03-4500-1030)で承り、オンラインでのご相談にも対応しています。




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