経営事項審査(経審)の点数を上げる方法とは?P点の仕組みとW点・Z点の具体策 2026年版
公共工事の入札に参加するには、経営事項審査(経審)を受けて点数(P点)を出す必要があります。この点数は入札の格付け(ランク)に直結するため、「次回までに何を改善すれば点数が上がるのか」は、公共工事を受注したい建設業者にとって切実な関心事です。
経審の点数は運や交渉で上がるものではなく、評価の仕組みを理解して計画的に準備すれば、着実に引き上げられるものです。この記事では、P点の仕組みと、項目ごとの点数アップの具体策を、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が解説します。なお経審そのものの全体像は、経営事項審査(経審)とは|点数の仕組みと申請の流れ 2026年度をあわせてご覧ください。
経審の点数「P点」の仕組み
経審の総合評定値であるP点は、5つの評価項目を一定の割合(ウエイト)で組み合わせて計算されます。おおまかな計算式は次のとおりです。
P点 = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W
それぞれの項目は次の内容を評価しています。
- X1(完成工事高)……工事の売上高。ウエイトは0.25と最大級。
- X2(自己資本額・利益額)……自己資本の厚みと利益。ウエイトは0.15。
- Y(経営状況)……負債や利益などの財務健全性(経営状況分析)。ウエイトは0.20。
- Z(技術力)……技術職員の数・資格と元請完成工事高。ウエイトは0.25と最大級。
- W(社会性等)……社会保険加入や各種制度への取り組み。ウエイトは0.15。
経審が法律上の手続きであることは、建設業法にも定められています。
(経営事項審査)第27条の23
公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
建設業法 第27条の23第1項(経営事項審査を受ける義務)
ポイントは、P点は一つの項目だけで決まらず、5項目の総合評価だという点です。どこか一つが低くても、他の項目で補って全体を底上げできます。

どの項目から手をつけるべきか(W点が最優先の理由)
点数を上げたいとき、最初に取り組むべきはW点(社会性等)です。理由は、W点が設備投資や売上増を待たずに、「書類の提出」や「制度への申請」だけで加点できる項目だからです。
X1(完成工事高)やZ(技術力)は、売上や有資格者を増やす必要があり、効果が出るまで時間がかかります。これに対しW点は、すでに加入・取得している制度をきちんと申告するだけで加点されるものも多く、短期間で効果が出やすいのが特長です。
W点で加点する具体策
W点で評価される主な項目には、次のようなものがあります。自社が該当するのに申告していないものがないか、まず確認しましょう。
- 社会保険への適正加入……健康保険・厚生年金・雇用保険への加入は加点の前提です。未加入は加点されないどころか評価を下げるため最優先です。
- 建設業経理士など経理職員の確保……登録経理試験(建設業経理士)の合格者が在籍していると加点されます。
- 退職一時金制度・企業年金制度の導入……従業員の退職金制度を整えることが評価されます。
- 法定外の労働災害補償(法定外労災)への加入……上乗せの労災補償も加点対象です。
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用……現場での就業履歴の蓄積体制が評価されます。詳しくは建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?登録方法・費用・経審の加点を解説 2026年版をご覧ください。
- 防災協定の締結・防災活動への貢献……自治体等との防災協定が加点されます。
- ワークライフバランスに関する認定……女性活躍推進(えるぼし)や子育て支援(くるみん)などの認定も評価されます。
W点は加点項目が多く、1項目あたり数点〜十数点動くこともあり、合計するとP点全体に大きく影響します。取りこぼしなく申告することが、点数アップの近道です。【要確認:各項目の配点は改正で変動するため最新基準で確認】
Z点(技術力)を上げる
Z点は、技術職員の数と保有資格、元請としての完成工事高を評価します。
- 有資格者を増やす……1級・2級の国家資格者は、資格のランクが高いほど加点されます。従業員の資格取得を計画的に支援することが効きます。
- 技術者を継続して雇用する……審査基準日時点で6か月を超えて恒常的に雇用している技術職員が対象です。
- 元請としての完成工事高を積む……下請ではなく元請で受注した実績が評価されます。
Z点は人材への投資が反映される項目で、腰を据えて取り組むほど効いてきます。
X1点(完成工事高)・X2点(自己資本)の考え方
- X1(完成工事高)……完成工事高は2年平均か3年平均のどちらかを選んで申請できます。年度によって工事高に波がある場合、有利なほうの平均を選ぶだけで点数が変わります。業種ごとの工事高の振り分け(積み上げ)も点数に影響します。
- X2(自己資本額・利益額)……自己資本を厚くする(増資や利益の内部留保)ことや、利払前・税引前・償却前利益を伸ばすことが加点につながります。
やってはいけないこと(虚偽・粉飾)
点数を上げたいあまり、完成工事高や技術職員を水増しするような虚偽の申請は絶対に避けてください。経審の虚偽申請は、建設業法に基づく監督処分(指示・営業停止・許可取消し)や罰則の対象となり、公共工事から排除されるなど失うものが大きすぎます。点数対策は、あくまで実態を正しく整え、正しく申告することが大前提です。
点数対策は逆算スケジュールで
経審の点数は審査基準日(原則として直前の決算日)時点の状態で評価されます。そのため、決算日から逆算して準備することが重要です。
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- ステップ1 現状の点数を把握する
- 直近の経審結果から、5項目のうちどこが弱いかを分析します。同業・同規模の目安と比べ、伸ばせる項目を洗い出します。
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- ステップ2 決算日までにW点対策を仕込む
- 社会保険の適正加入・建設業経理士の確保・退職金制度・CCUS活用など、審査基準日までに整えられる制度を計画的に申請・導入します。
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- ステップ3 決算内容を意識した経営を行う
- 自己資本や利益(X2)、完成工事高(X1)を意識した決算を組みます。粉飾ではなく実態の改善で行うのが大原則です。
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- ステップ4 経営状況分析・経審を申請する
- 決算確定後、経営状況分析(Y点)を受け、経営規模等評価と総合評定値請求を行います。書類の整合性が崩れないよう専門家と進めると安心です。
まとめ
経審の点数(P点)は、X1・X2・Y・Z・Wの5項目の加重平均で決まります。まず取り組むべきは、書類提出や制度申請で加点できるW点(社会保険・建設業経理士・CCUS・退職金制度など)で、短期間で効果が出やすいのが特長です。Z点(技術力)やX1点(完成工事高)は中長期で伸ばし、虚偽・粉飾は厳禁——実態を正しく整えて申告することが、点数を確実に上げる王道です。
建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。
経審の点数対策のご相談は無料相談から
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、経営事項審査の申請代行から、W点の取りこぼしチェック、点数アップに向けた逆算スケジュールの設計、公共工事の入札参加資格申請まで、公共工事の受注をワンストップでサポートしています。「次回の経審で点数を上げたい」「何から手をつければいいかわからない」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。




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