法定相続情報一覧図とは?取得方法・手数料無料・相続手続きの効率化を解説 2026年版
法定相続情報一覧図とは?
法定相続情報一覧図とは、亡くなった方(被相続人)と相続人の関係を1枚の図にまとめ、法務局(登記所)の登記官が「この内容は戸籍のとおりで間違いない」と認証してくれる書面です。この仕組みを「法定相続情報証明制度」といい、平成29年(2017年)5月にスタートしました。
制度の根拠は、次の規則に定められています。
(法定相続情報一覧図)第247条
1 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。
不動産登記規則 第247条第1項(法定相続情報一覧図)
ひとことで言えば、分厚い戸籍の束を、公的に認証された「1枚の証明書」に置き換えられる制度です。
法定相続情報一覧図を取得するメリット
相続手続きでは、多くの窓口で「被相続人の出生から死亡までの戸籍一式」の提出を求められます。この一覧図を使うと、次のメリットがあります。
- 手数料が無料:交付を受けるのに費用はかかりません(0円)。必要な枚数を無料でもらえます。
- 戸籍一式の代わりに使える:相続登記・預貯金の解約・相続税の申告・自動車の名義変更など、各種手続きで戸籍の束を提出しなくてよくなります。
- 手続きを同時並行で進められる:戸籍一式は1部しかないと窓口ごとに順番待ちになりますが、一覧図を複数枚もらえば銀行と法務局へ同時に提出できます。
- 再交付が受けられる:保管期間中(申出の翌年から起算して5年間)は、必要になったときに写しを再交付してもらえます。
法定相続情報一覧図を取得するまでの流れ
取得は、次の順序で進めます。戸籍を集める工程は通常の相続手続きと共通です。
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- ステップ1 必要書類(戸籍等)を集める
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、被相続人の住民票の除票、相続人全員の現在戸籍などを取得します。
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- ステップ2 法定相続情報一覧図を作成する
- 被相続人と相続人の関係を図にまとめます。法務局のひな型や記載例を利用できます。
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- ステップ3 申出書を記入する
- 交付を申し出るための申出書に、必要事項と交付を希望する通数を記入します。
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- ステップ4 法務局へ申出をする
- 被相続人の本籍地・最後の住所地・申出人の住所地・被相続人名義の不動産所在地のいずれかを管轄する法務局へ、書類一式を提出します(郵送も可)。
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- ステップ5 認証文付きの写しが交付される
- 登記官が内容を確認し、認証文を付した一覧図の写しが無料で交付されます。提出した戸籍一式も返却されます。
申出に必要な書類
申出には、主に次の書類が必要です。
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)
- 相続人全員の現在の戸籍謄抄本
- 申出人(相続人代表)の氏名・住所を確認できる公的書類(運転免許証の写しなど)
相続人の住所を一覧図に記載したい場合は、相続人の住民票も添えます。2024年3月から始まった戸籍の「広域交付」を使えば、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村でまとめて戸籍を請求できるようになり、書類集めの負担が軽くなりました。
こんな相続手続きで使えます
取得した一覧図の写しは、戸籍一式の代わりに次のような窓口で幅広く使えます。
- 不動産の相続登記(法務局):名義変更の添付書類として。
- 預貯金・株式の名義変更や解約(金融機関・証券会社):口座の相続手続きに。
- 相続税の申告(税務署):添付資料として利用できます。
- 自動車の移転登録(運輸支局)や各種年金・保険の手続きなど。
特に、相続財産が複数の金融機関や不動産にまたがる場合ほど効果が大きくなります。戸籍一式は原本が1部しかないため、これを窓口ごとに使い回すと、返却を待って次の手続きへ…と時間がかかります。一覧図を必要な通数だけ無料で用意しておけば、複数の手続きを一度に走らせることができ、相続手続き全体を大幅に短縮できます。2024年4月からの相続登記の義務化(3年以内)もあり、手続きを効率化できるこの制度の価値は高まっています。

作成のコツ・注意点
- 作成する図は法定相続人のみ:一覧図には、民法上の相続人を漏れなく・正確に記載します。相続放棄をした人も、この図には相続人として載ります(放棄の事実は反映されません)。
- 数次相続・代襲相続は関係が複雑:亡くなった順序や、孫が代わりに相続するケースは図の書き方に注意が必要です。
- あくまで「相続関係の証明」:誰がどの財産を取得するかは示しません。遺産の分け方は遺産分割協議書の作り方で別途まとめます。
よくある質問
Q. 費用は本当にかかりませんか?
A. 一覧図の写しの交付手数料は無料です。ただし、その前提として集める戸籍謄本・除籍謄本・住民票などには、市区町村ごとの発行手数料がかかります。
Q. 郵送でも申出できますか?
A. できます。申出書と一覧図、戸籍一式などを管轄の法務局へ郵送し、返信用封筒を同封すれば、写しと返却書類を郵送で受け取れます。窓口へ出向く時間がとれない方に便利です。
Q. 相続放棄した人も図に載りますか?
A. 載ります。一覧図はあくまで「戸籍上の法定相続人」を示すもので、放棄の有無は反映されません。放棄を証明したいときは、別途、家庭裁判所の書類を用います。
Q. 何枚まで交付してもらえますか?
A. 必要な枚数を無料で交付してもらえます。相続手続きを行う金融機関や窓口の数に合わせて、余裕をもって申し出ておくと、同時並行で手続きを進めやすくなります。
専門家に依頼する場合(誰に何を頼めるか)
戸籍の収集や法定相続情報一覧図の作成・申出は行政書士が代理できますので、丸ごとお任せください。その後に不動産の相続登記がある場合は司法書士、相続税の申告がある場合は税理士もご紹介できます。当事務所は戸籍収集から一覧図の取得、分割協議書の作成までを丁寧に代行し、登記・税務は各専門家と連携してワンストップで進めます。相続手続き全体の流れは相続手続きの流れと期限もご覧ください。
まとめ|戸籍の束を「1枚の証明書」に
法定相続情報一覧図は、手数料無料で取得でき、戸籍一式の代わりに相続登記・預貯金解約・相続税申告など複数の手続きで何度も使える便利な制度です。相続手続きを効率よく進めたい方は、早い段階で取得しておくと安心です。世田谷区大原の当事務所では、相続相談400件超の実績を活かし、初回無料でご相談を承っています。電話(03-4500-1030)・LINE・オンラインにも対応しています。
相続手続き全体の進め方は、相続手続きの総合ガイドでまとめて解説しています。




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