会社設立後にやること一覧|法人設立届・青色申告・社会保険・法人口座の期限 2026年版

会社設立後にやること一覧|「登記して終わり」ではありません

設立登記が完了すると、会社は無事にスタートします。しかし、ここで手続きが終わりというわけではありません。登記のあとには、税務署・都道府県・市区町村への届出、社会保険の加入、法人口座の開設といった手続きが、それぞれ期限つきで待っています。「登記のあと、いったい何から手をつければよいのか分からない」という声は、会社を立ち上げたばかりの方から本当に多くいただきます。

この記事では、会社設立後にやるべき手続きを、期限の早いものから順に、世田谷の行政書士がわかりやすく整理します。あとで慌てないための「設立後チェックリスト」としてお使いください。

会社設立後の手続きの流れ

まずは全体像です。設立日を起点に、次の順序で進めていきます。

  1. ステップ1 税務署への届出(設立後2か月以内)
    法人設立届出書のほか、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書などを提出します。青色申告の申請には別の期限があるため要注意です。
  2. ステップ2 都道府県・市区町村への届出
    都道府県税事務所と市区町村役場にも、法人設立(開業)の届出が必要です。提出期限は自治体ごとに異なります。
  3. ステップ3 社会保険の加入(設立後5日以内)
    健康保険・厚生年金保険は、社長一人の会社でも加入が義務です。年金事務所へ届け出ます。
  4. ステップ4 労働保険の手続き(人を雇うとき)
    従業員を雇ったら、労災保険・雇用保険の手続きが必要になります。
  5. ステップ5 法人口座の開設・許認可の申請
    会社名義の銀行口座を開き、事業に許認可が必要な場合は営業開始前に申請します。
  6. ステップ6 事業のスタート
    ここまで整えて、はじめて安心して事業に集中できます。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

税務署への届出は「設立から2か月以内」が基本

会社を設立したら、まず納税地を管轄する税務署に対して各種の届出を行います。中心となるのが法人設立届出書で、これは法人税法で提出が義務づけられています。

(内国普通法人等の設立の届出)第百四十八条
新たに設立された内国法人である普通法人又は協同組合等は、その設立の日以後二月以内に、次に掲げる事項を記載した届出書に定款の写しその他の財務省令で定める書類を添付し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
一 その納税地
二 その事業の目的
三 その設立の日
法人税法 第148条第1項(内国普通法人等の設立の届出)

このとおり、法人設立届出書は設立の日(設立登記の日)以後2か月以内に、定款の写しなどを添付して提出します。あわせて次の書類も検討します。

  • 青色申告の承認申請書:赤字の繰越しなど税務上のメリットが大きく、多くの会社が提出します。ただし期限が独特で、設立の日から3か月を経過した日設立事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日までに出す必要があります。
  • 給与支払事務所等の開設届出書:役員報酬や給与を支払う会社は提出します(設立から1か月以内)。
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:源泉徴収した税金の納付を年2回にまとめられる特例で、事務負担を減らせます。

なかでも青色申告の承認申請だけは、期限を過ぎるとその期は白色申告になってしまうため、設立直後にまとめて提出しておくのが安心です。

都道府県・市区町村への届出も忘れずに

税務署への届出とは別に、都道府県税事務所市区町村役場にも法人設立(開業)の届出が必要です。法人住民税・法人事業税に関わる手続きで、こちらは提出期限が自治体ごとに異なります。東京都23区内に会社を置く場合は都税事務所への届出のみで足りるなど、地域によって扱いが変わりますので、管轄の窓口でご確認ください。

社会保険は「設立から5日以内」に加入義務

意外と見落とされやすいのが社会保険です。健康保険・厚生年金保険は、役員(社長)一人だけの会社でも加入が義務づけられています。会社を設立したら、原則として設立の日から5日以内に、会社の所在地を管轄する年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」などを提出します。

「まだ売上もないのに」と後回しにしがちですが、役員報酬を受け取っているのに未加入のまま調査で発覚すると、さかのぼって保険料を追徴されるリスクがあります。従業員を雇う場合は、あわせて労災保険(労働基準監督署)・雇用保険(ハローワーク)の手続きも必要です。

法人口座の開設と許認可の申請

事業を動かすうえで欠かせないのが法人名義の銀行口座です。登記事項証明書や定款、会社の実体を確認できる資料などをもとに審査が行われ、開設まで数日〜数週間かかることもあります。

また、営む事業に許認可が必要な場合は、営業を始める前に許可・登録・届出を済ませておくことが大前提です。たとえば建設業を営むなら建設業許可、飲食店なら営業許可というように、業種ごとに窓口も要件も異なります。設立と許認可をどう組み合わせて設計するかは、許認可が必要な事業の会社設立の記事もあわせてご覧ください。

会社設立後によくある失敗

設立後の手続きでつまずきやすいのは、次のようなケースです。いずれも「知っていれば防げる」ものばかりです。

  • 青色申告の承認申請を出し忘れる:期限を過ぎると、初年度は欠損金の繰越しなど青色申告のメリットを受けられません。
  • 社会保険の加入を後回しにする:役員一人でも役員報酬を受け取っている場合は加入義務があり、未加入のまま調査で発覚するとさかのぼって保険料を求められます。
  • 都道府県・市区町村への届出を失念する:税務署にだけ提出して、自治体への届出を忘れてしまうケースが目立ちます。
  • 許認可を取る前に営業を始めてしまう:無許可営業は業種によって罰則の対象になります。営業開始前の取得が原則です。

設立の段階で手続きの全体像を押さえておくことが、こうした失敗のいちばんの予防になります。

専門家との連携(誰に何を頼めるか)

設立後の手続きは範囲が広く、専門分野も分かれます。ここは実務上とても大切なポイントです。

本記事で話題にしました税務署への届出や法人税・消費税の申告は税理士、社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士が専門に扱う分野です。行政書士である当事務所は、会社設立の全体設計と許認可を担当し、必要に応じて税理士・社会保険労務士と連携しながら、設立から事業スタートまでを途切れなくサポートします。

まとめ|設立後の手続きは「期限管理」がすべて

会社設立後の手続きは、税務署(2か月以内)・社会保険(5日以内)・青色申告の申請(期限に注意)と、それぞれに締め切りがあります。一つずつは難しくありませんが、開業準備で忙しい時期に漏れなくこなすのは負担が大きいものです。会社設立の流れとあわせて早めに準備を進めましょう。世田谷区大原の当事務所では、相続相談400件超の実績で培った丁寧な対応で、設立前のご相談から設立後の手続き案内・許認可まで承っています。初回相談は無料、電話(03-4500-1030)・LINE・オンラインにも対応しています。

会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。

出典