公益社団法人とは?公益認定の要件・税制優遇をわかりやすく解説 2026年版

「一般社団法人を運営しているが、もっと社会的な信用を高めたい」「税制の優遇を受けて、寄附を集めやすくしたい」——そんなときに検討したいのが公益社団法人です。公益社団法人は、一般社団法人が行政庁の公益認定を受けることで名乗れる、公益性の高い法人です。 この記事では、公益認定の要件・申請先・税制優遇と、2025年4月に始まった新しい公益法人制度のポイントを、法人手続きを数多く扱う世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が分かりやすく解説します。

公益社団法人とは——一般社団法人との関係

公益社団法人は、一般社団法人のうち、公益目的の事業を行う法人として行政庁の「公益認定」を受けたものです。まず一般社団法人を設立し、そのうえで公益認定を申請する、という二段構えになります(一般社団法人の作り方は一般社団法人の設立方法をご覧ください)。 認定を受けると、「公益」を冠した名称による高い信頼性と、後述する税制優遇が得られます。

公益認定の主な基準

公益認定を受けるには、公益法人認定法が定める基準(18の認定基準と欠格事由)を満たす必要があります。主なものは次のとおりです。
  • 公益目的事業を行うことが主たる目的であること … 公益目的事業の比率が全体の50%以上であること
  • 収支相償:公益目的事業の収入が、その事業にかかる費用を超えないこと(利益を貯め込まない仕組み)
  • 遊休財産額が一定の制限を超えないこと
  • 理事・監事のうち、親族などの関係者が理事総数の3分の1以下であること
  • 経理的基礎と技術的能力があること、特定の者に特別の利益を与えないこと など
公益目的事業とは、学術・文化・福祉・環境など、法律で定められた23の事業に該当し、不特定多数の利益の増進に寄与するものをいいます。
(公益認定の基準)第5条
行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。
一 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。
(中略)
八 その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。
(中略)
十 各理事について、当該理事及び当該理事と特別利害関係(一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として政令で定めるものをいう。第十二号において同じ。)にある理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第5条第一号・第八号・第十号(公益認定の基準)

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

どこに申請する?(行政庁)

公益認定の申請先は、活動する区域によって分かれます。
  • 2つ以上の都道府県で事業を行う場合など:国(内閣総理大臣=内閣府)
  • 1つの都道府県の区域内でのみ事業を行う場合:その都道府県知事
東京都庁

東京都庁

税制優遇——法人にも寄附者にも

公益社団法人になる最大のメリットは、税制優遇によって活動資金を確保しやすくなることです。
  • 法人自身:公益目的事業から生じる所得は、法人税が非課税です。また、収益事業の利益を公益目的事業のために使った分は、寄附金とみなして手厚く損金に算入できます(みなし寄附金)。
  • 寄附する個人:公益社団法人は「特定公益増進法人」にあたり、寄附した個人は寄附金控除(税額控除または所得控除を選択)を受けられます。
  • 寄附する法人:通常の寄附金の損金算入枠とは別枠で損金に算入できます。
(※みなし寄附金の限度額や各控除の算式は、国税庁の最新情報でご確認ください)

2025年4月からの新しい公益法人制度

公益法人制度は、令和6年(2024年)の法改正により、令和7年(2025年)4月から新しい制度に移行しました。 主なポイントは、財務規律の柔軟化(収支相償や遊休財産の考え方を、単年度から中期的な視点で見るなど)と、公益目的事業・収益事業・法人運営に区分して経理を行う原則義務化などです。これにより、公益法人がより機動的に活動しやすくなることが期待されています。

一般社団法人のまま/認定NPO法人との違い

  • 一般社団法人のまま:設立や運営は手軽ですが、公益目的事業の非課税などの優遇はありません。まずは活動を育て、実績ができてから公益認定を目指すのも一つの方法です。
  • 認定NPO法人との違い:どちらも寄附者に税優遇が付く点は共通ですが、根拠となる法律や認定の基準が異なります。市民活動が中心なら認定NPO法人、事業型で公益性の高い活動なら公益社団法人、といった使い分けになります。

公益認定の無料相談を受け付けています

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、一般社団法人の設立から公益認定の申請準備(事業の設計・財務要件の確認・申請書類の作成)まで、公益的な活動を一貫してサポートしています。「公益認定を取れる見込みがあるか知りたい」という段階からのご相談も歓迎です。無料相談はお電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームから。オンライン相談にも対応しております。

出典

会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。