飲食店営業許可の取り方|保健所の手続き・食品衛生責任者・HACCPを解説 2026年版

レストラン、カフェ、居酒屋——飲食店を開業するとき、必ず必要になるのが保健所の飲食店営業許可です。「物件は決めたけれど、許可のために何を準備すればいいのか」と、開業準備のどこから手をつけるべきか分からず不安になる方は多くいらっしゃいます。 飲食店営業許可は、食品衛生法にもとづく許可で、施設の基準を満たし、食品衛生責任者を置いたうえで、保健所の検査を受けて取得します。この記事では、許可取得の流れ・要件・費用の目安、そして2021年から必須になったHACCP対応までを、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所がかみ砕いて解説します。

飲食店営業許可とは

飲食店営業許可は、調理して客に飲食させる営業を行うために必要な、食品衛生法上の許可です。法律では次のように定められています。
(営業の許可)第55条 前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。 食品衛生法 第55条第1項(営業の許可)
許可を受けずに飲食店を営業すると、食品衛生法違反となり罰則の対象になります。 無許可営業は行政処分や信用の失墜にもつながるため、開業前に必ず取得しておく必要があります。飲食店開業全体の許可の考え方はレストラン・カフェの開業前に知っておきたい「許可」「責任」の基礎もあわせてご覧ください。

食品衛生責任者を置く

飲食店営業許可を受けるには、施設ごとに食品衛生責任者を1名以上置く必要があります。食品衛生責任者は、次のいずれかで資格を満たします。
  • 調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格を持っている
  • 都道府県などが実施する食品衛生責任者養成講習会を修了する
調理師などの資格がなくても、1日程度の講習を受ければ食品衛生責任者になれます。開業までに間に合うよう、早めに受講予定を組んでおきましょう。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

HACCPに沿った衛生管理(2021年から義務化)

2021年(令和3年)6月から、原則としてすべての食品等事業者に、HACCPに沿った衛生管理が義務づけられました。 飲食店の場合は、規模の小さい事業者も含めて「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施することとされています。 とはいえ、難しく考える必要はありません。業界団体が作成した手引書に沿って、衛生管理計画を作り、日々の管理を記録していくのが基本です。特別な設備投資というより、「決めたことを実行し、記録に残す」運用の話が中心になります。詳しくは東京都などの公的な解説が参考になります。

施設の基準

飲食店の施設は、食品衛生法と都道府県の条例が定める施設基準を満たす必要があります。代表的なポイントは次のとおりです。
  • 手洗い設備……従業員用の手洗いを適切な位置に設置
  • シンク(洗浄設備)……用途に応じた数のシンク
  • 床・壁・天井……清掃しやすく、衛生的に保てる構造
  • 冷蔵・冷凍設備、換気設備、給湯設備 など
これらは物件の造りによって満たせるかどうかが変わるため、内装工事を始める前に保健所へ相談することが失敗を防ぐ最大のコツです。

申請から許可までの流れ

飲食店営業許可は、おおむね次の流れで進みます。
  1. ステップ1 保健所への事前相談
    施設の図面を持って保健所に相談し、施設基準を満たせるかを確認します。工事の前に相談するのが鉄則です。
  2. ステップ2 申請書類の提出
    営業許可申請書・施設の図面・食品衛生責任者の資格を示す書類などを提出します。
  3. ステップ3 施設検査
    保健所の担当者が現地を検査し、施設基準に適合しているかを確認します。
  4. ステップ4 許可証の交付・営業開始
    基準を満たしていれば許可証が交付され、営業を開始できます。

費用・有効期間の目安

飲食店営業許可の申請手数料は、自治体により異なりますが1万6,000円〜1万8,000円程度が目安です。 そして見落としがちなのが有効期間です。飲食店営業許可には有効期間(施設や自治体により5〜8年)があり、期間が満了する前に更新の手続きをしないと、許可が失効してしまいます。 許可証に記載された満了日を確認し、更新の時期を管理しておきましょう。行政書士に依頼する場合の報酬は別途かかります(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。

関連する許可・届出にも注意

飲食店の営業形態によっては、飲食店営業許可のほかに別の手続きが必要になります。代表的なものを挙げておきます。
  • 深夜0時以降にお酒を提供する……深夜酒類提供飲食店営業開始届出(警察への届出)が別途必要
  • お客さんに接待をする……風俗営業許可(1号)が必要
  • パンや菓子を製造して販売する……菓子製造業などの許可が別に必要な場合がある
自分の店の営業形態に合わせて、必要な手続きを漏れなく押さえておくことが大切です。

飲食店開業のご相談は無料で

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、飲食店営業許可をはじめ、深夜酒類提供の届出・風俗営業許可・会社設立まで、飲食店の開業に関わる手続きをまとめてサポートしています。「何から準備すればいい?」「うちの営業形態で必要な許可は?」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。

出典

あわせて、店舗契約前に確認したい点は飲食業用の店舗を借りる前の基礎知識、深夜0時以降も酒類を出す場合は深夜酒類提供飲食店営業開始届出もご覧ください。