個人事業主で建設業許可は取れる?法人とどちらが良いか・法人成りの注意点を解説 2026年版
「一人親方や個人事業主のままでも建設業許可は取れるの?」「取るなら会社にしてからのほうがいい?」——建設業の許可取得を考え始めた方から、とても多くいただく質問です。
結論から言うと、個人事業主でも建設業許可は取得できます。ただし、個人で取るか法人で取るかによって、その後の信用・社会保険・事業の引き継ぎに違いが出ます。さらに、個人で許可を取った後に法人化(法人成り)すると、その許可は原則として会社に引き継げず「新規で取り直し」になるという見落としがちな落とし穴もあります。この記事では、個人と法人どちらで許可を取るべきかの判断材料を、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が解説します。

個人事業主でも建設業許可は取れる
建設業許可は、法人だけでなく個人事業主でも取得できます。建設業法は、許可の対象を次のように定めています。
(建設業の許可)第3条
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
建設業法 第3条第1項(建設業の許可)
条文の「建設業を営もうとする者」には、法人も個人も含まれます。つまり、経営業務の管理責任者・営業所技術者(旧・専任技術者)・財産的基礎などの要件を満たせば、個人事業主でも問題なく許可を受けられます。許可の5つの要件は建設業許可の要件|新規取得に必要な5つの条件を解説 2026年度で解説しています。
個人の許可のデメリット(承継・信用・社会保険)
個人で許可を取ること自体はできますが、次のようなデメリットがあります。
- 事業の引き継ぎが難しい……個人の許可はその個人事業主一代限りが原則で、後継者へそのまま引き継ぐことができません(後述の相続・承継の制度はありますが手続きが必要です)。
- 社会的信用で不利になりやすい……元請や金融機関、取引先によっては、法人であることを取引の条件にする場合があります。
- 社会保険の扱い……従業員が常時5人以上になると、個人事業でも健康保険・厚生年金の適用事業所になります。建設業許可では社会保険の適正加入が求められるため、加入状況の整理が必要です。
法人化(法人成り)のメリット
一方、法人で許可を取る(または法人化してから取る)と、次のようなメリットがあります。
- 社会的信用が高まる……取引・融資・採用の場面で有利に働きやすくなります。
- 事業承継がしやすい……代表者が交代しても、会社(法人)が許可を持ち続けるため、事業を継続しやすくなります。
- 経営者の経験が引き継ぎやすい……役員として経営経験を積ませることで、次世代への引き継ぎがしやすくなります。
法人化とあわせて許可を取る具体的な進め方は、一人親方が法人化して建設業許可を取るには?メリットと手順を解説 2026年度でも解説しています。
個人の許可を持ったまま法人成りすると「新規扱い」
ここが最も注意が必要なポイントです。個人事業主として建設業許可を取った後に会社を設立(法人成り)した場合、個人で取得した許可を、そのまま会社の許可として使うことはできません。会社は別の人格(法人)だからです。
そのため、原則として法人で改めて建設業許可を「新規」で取得し直す必要があり、その審査期間中は会社として許可が必要な工事を請け負えないという空白が生じかねません。
ただし、2020年(令和2年)10月施行の改正建設業法により、事前に「事業譲渡」の認可を受ければ、個人から法人へ許可の地位を空白なく引き継げる道が新設されました。個人事業を会社へ譲渡する形をとり、あらかじめ認可を受けることで、法人成りの際も許可を切らさずに済みます。この承継制度の詳細は建設業許可の事業承継・相続とは?2020年改正の認可制度で許可を空白なく引き継ぐ方法 2026年版で解説しています。
個人か法人か、判断の目安
どちらを選ぶかは、事業の規模や将来像によって変わります。
- 個人が向いているケース……当面は一人または少人数で、事業規模の拡大や承継を急がない場合。設立費用や法人の維持コストを抑えたい場合。
- 法人が向いているケース……元請から法人化を求められている場合、融資や採用を積極的に進めたい場合、将来的に事業を後継者へ引き継ぎたい場合。
近い将来に法人化する見込みがあるなら、はじめから会社を設立して法人で許可を取るほうが、取り直しの手間や費用を避けられることが多くあります。
迷ったときの進め方
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- ステップ1 事業の将来像を整理する
- 今後の事業規模・従業員・後継者の有無・元請からの要望などを整理し、個人で続けるか法人化するかの方向性を考えます。
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- ステップ2 許可要件を満たせるか確認する
- 経営業務の管理責任者・営業所技術者・財産的基礎(自己資本500万円)などの要件を、個人・法人それぞれで満たせるかを確認します。
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- ステップ3 取得の形を決める
- 「個人で取る」「法人を設立してから取る」「将来の法人化に備えて承継を計画する」のいずれが合うかを決めます。法人化予定なら会社設立とセットで進めると効率的です。
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- ステップ4 申請・承継の準備をする
- 選んだ形に応じて許可申請の書類をそろえます。法人成りで許可を引き継ぐ場合は、事前の事業譲渡の認可を計画的に進めると許可の空白を防げます。
まとめ
建設業許可は個人事業主でも取得できますが、承継のしにくさや社会的信用の面では法人が有利です。とくに注意したいのは、個人で許可を取った後に法人成りすると原則は「新規で取り直し」になる点で、2020年改正の事業譲渡の認可を使えば許可を空白なく引き継げます。近い将来に法人化する予定があるなら、はじめから法人で取ることも有力な選択肢です。
建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。
個人・法人どちらで取るかのご相談は無料相談から
行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、個人で取るか法人で取るかの判断から、会社設立とセットの許可取得、法人成りにともなう承継の設計まで、建設業許可をワンストップでサポートしています。「今は個人だが将来は会社にしたい」「法人成りで許可を切らしたくない」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。




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