特定建設業と一般建設業の違いとは?下請5,000万円の基準・要件・専技の差を解説 2026年版

建設業許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があります。「自社はどちらを取ればいいのか」「元請から特定を求められたが何が違うのか」——許可を取る前に必ず突き当たるのがこの区分です。

結論から言えば、両者を分けるのは元請として下請に出す工事代金の合計額です。そしてこの基準額は、令和7年2月1日の改正で引き上げられたばかりで、古い情報のままだと判断を誤ります。この記事では、特定建設業と一般建設業の違いを、最新の金額基準・要件の差・専任技術者の違いまで、世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が比較表つきで解説します。

区分の分かれ目は「下請に出す金額」

一般か特定かは、事業の規模ではなく、発注者から直接請け負った1件の工事について、下請に出す代金の合計額で決まります。

  • 一般建設業……下請に出さない、または下請に出す代金の合計が基準額未満の場合
  • 特定建設業……発注者から直接請け負った工事で、下請に出す代金の合計が基準額以上になる場合

ここで重要なのが、この判定は元請として直接請け負った工事が対象という点です。下請として工事を受けるだけなら、金額がいくら大きくても特定建設業の許可は不要です。あくまで「元請で、下請へ大きく出すか」で決まります。

令和7年2月改正後の基準額(5,000万円・建築一式8,000万円)

その基準額が、令和7年2月1日施行の建設業法施行令の改正で引き上げられました。近年の建設工事費の高騰を踏まえた見直しです。

工事の種類 改正前 改正後(令和7年2月1日〜)
建築一式工事 7,000万円以上 8,000万円以上
その他の工事 4,500万円以上 5,000万円以上

つまり現在は、下請に出す代金の合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上になる元請工事を施工するなら、特定建設業の許可が必要です。この金額は下請契約が複数あればその合計で判定し、消費税を含めた額で見ます。ただし元請から無償で支給された材料の価額は含めません。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

特定建設業は要件が大きく加重される

特定建設業は、下請業者を保護し、大規模工事を適正に施工させる目的から、一般建設業より要件がかなり厳しくなっています。とくに差が大きいのが「財産的基礎」と「専任技術者」です。

一般建設業では、財産的基礎について次のように定められています。

(許可の基準)第7条
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
(中略)
四 請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。
建設業法 第7条第四号(財産的基礎又は金銭的信用)

一般はこのように「財産的基礎又は金銭的信用」(自己資本500万円以上など)で足ります。これに対し特定建設業は、条文上「又は金銭的信用」が外れ(建設業法第15条第三号)、より厳しい財産的基礎そのものを満たすことが求められます。

一般建設業と特定建設業の比較

項目 一般建設業 特定建設業
下請に出す額 基準額未満 5,000万円(建築一式8,000万円)以上
財産的基礎 自己資本500万円以上など 4要件すべてを満たす(下記)
専任技術者 資格・指定学科+実務・実務経験10年のいずれか 原則1級国家資格者など(指導監督的実務経験2年以上を含む)
経営業務の管理責任者 必要 必要(要件は共通)

特定建設業の財産的基礎の4要件は、次のすべてを満たす必要があります。

  • 欠損の額が資本金の20%以下であること
  • 流動比率(流動資産÷流動負債)が75%以上であること
  • 資本金2,000万円以上であること
  • 自己資本4,000万円以上であること

この4要件は許可の取得時だけでなく、5年ごとの更新時にも審査されます。経営が悪化して自己資本が4,000万円を下回ると、特定建設業を維持できなくなる点に注意が必要です。

どちらを選ぶべきか

自社に必要なのがどちらかは、元請として下請に大きく出す予定があるかで判断します。

  • 下請専門、または元請でも下請に出す額が基準未満一般建設業で十分
  • 元請として大規模な工事を受け、下請に5,000万円(建築一式8,000万円)以上出す特定建設業が必要

迷ったら、まず一般建設業から取得し、事業の拡大に合わせて特定へ切り替えるという進め方も現実的です。取り違えて無許可で大きな下請契約を結ぶと、建設業法違反となるおそれがあるため、慎重な判断が必要です。許可要件の全体像は、建設業許可の要件|新規取得に必要な5つの条件を解説 2026年度で、専任技術者の詳細は建設業の専任技術者(営業所技術者)とは?で解説しています。

まとめ

一般建設業と特定建設業を分けるのは、元請として下請に出す代金の合計額です。令和7年2月1日の改正で基準は5,000万円(建築一式8,000万円)以上へ引き上げられました。特定建設業は自己資本4,000万円などの財産的基礎の4要件1級技術者が求められ、要件が大きく加重されます。自社の受注スタイルに合わせて、どちらを取るかを見極めましょう。

建設業許可の全体像は、建設業許可のすべて(総合ガイド)でまとめて解説しています。

一般・特定の選び方のご相談は無料相談から

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、一般建設業と特定建設業のどちらを取るべきかの判断から、財産的基礎の確認、申請書類の作成までサポートしています。「元請から特定を求められた」「自己資本の要件を満たすか不安」——そんなご相談を無料で承っています。お電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。オンライン相談にも対応しております。

出典