遺言書作成を行政書士に依頼するメリット・費用相場を徹底解説

「まだ元気だから遺言書なんて早い」「うちは財産が多くないから揉めるはずがない」そう思っていませんか? 実は、相続トラブルの多くは「ごく普通の家庭」で起きています。残された家族が悲しい「争族(そうぞく)」に巻き込まれないために、今最も注目されているのが遺言書の作成です。 しかし、いざ書こうと思っても「どう書けばいいのか分からない」「自分が死んだ後、本当に揉めずに手続きしてもらえるの?」という不安もありますよね。そこで今回は、遺言書がない場合のリスクや種類、最低限の取り分である「遺留分」、遺言を確実に実行する「遺言執行者」、転ばぬ先の杖として行政書士に依頼するメリットや費用相場まで分かりやすく解説します。

遺言書がないとどうなる?「あった場合」との決定的な違い

遺言書は、あなたが大切な家族へ遺す「最後のメッセージ」であり、強力な法的効力を持つ書類です。これがあるかないかで、残された家族の負担は天と地ほど変わります。

遺言書がない場合:遺産分割協議でトラブル(争族)に発展しやすい

遺言書がない場合、亡くなった人の財産は法律で定められた割合(法定相続分)を基準に、相続人全員で分け方を話し合うことになります。これを「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」と呼びます。 この話し合いが、トラブルの引き金になるケースが非常に多いのです。「実家(不動産)を誰が引き継ぐかで意見が割れた」「普段は交流のない親族が、突然自己主張を始めた」など、全員の意見が一致するまで財産は1円も動かせず、最悪の場合は親族間で裁判沙汰になってしまいます。相続の話し合いを円満に進める準備は、実家の相続|お盆に家族で話す5つのチェックリストもご参考ください。

遺言書がある場合:手続きがスムーズになり、残された家族の負担が激減する

一方で、法的効力のある遺言書が1冊あれば、状況は一変します。 原則として、遺言書の内容は法定相続分よりも優先されるため、相続人同士で話し合う必要がなくなります。 銀行の預金口座の解約や、不動産の名義変更も、遺言書があればスムーズに進めることが可能です。

【落とし穴】遺言書があっても揉める?最低限の取り分「遺留分」に注意

遺言書があれば万全…と思いきや、実は強力な落とし穴があります。それが「遺留分(いりゅうぶん)」です。 遺留分とは、配偶者や子どもなどの法定相続人に、法律上最低限保障されている「遺産の取り分」のことです。 例えば、遺言書に「特定の長男だけに全財産を譲る」や「お世話になった第三者に全額寄付する」と書かれていた場合、財産をもらえなかった他の家族(次男など)は生活に困ってしまう可能性があります。そのため法律は、遺言があっても「最低限の割合は請求していいですよ」と定めているのです。 【注意】 遺留分を無視した偏った内容の遺言書を作ってしまうと、あなたの死後に家族間で「遺留分を返して!」という金銭トラブル(遺留分侵害額請求)が発生し、せっかくの遺言書がかえって争いの種になってしまいます。

どちらを選ぶべき?「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の違い

遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的に広く使われているのは「自筆証書(じひつしょうしょ)遺言」と「公正証書(こうせいしょうしょ)遺言」の2つです。

手軽に書けるが紛失・無効のリスクもある「自筆証書遺言」

自筆証書遺言は、その名の通り「自分で紙に書いて署名・押印する」遺言書です。 費用がかからず今すぐ一人で書けるメリットがありますが、法的な不備(日付の未記入や文言の間違いなど)で無効になるリスクが高いのがデメリットです。また、前述した「遺留分」をうっかり侵害した内容になりやすいのも特徴です。なお、自宅保管の弱点を補う法務局の遺言書保管制度という選択肢もあります。

確実性が最も高く、家庭裁判所の検認も不要な「公正証書遺言」

公正証書遺言は、公証役場で公証人(元裁判官や検察官など)に作成してもらう遺言書です。 プロが作成するため内容が無効になるリスクがほぼゼロで、原本が公証役場に保管されるため、偽造や紛失の心配もありません。

【一目でわかる】2つの遺言書の比較表

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言
作成費用 基本的に無料 数万〜十数万円(財産額による)
法的な確実性 低い(不備で無効のリスクあり) 極めて高い(無効リスクなし)
紛失・隠匿のリスク 高い(自宅保管の場合) なし(公証役場で厳重保管)
死後の手続き 家庭裁判所の「検認」が必要 検認は不要(すぐ手続き可能)
2つの違いは、自筆証書遺言と公正証書遺言の違い|費用・検認・保管制度を解説でさらに詳しく解説しています。

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

【重要】遺言書を確実に実行する「遺言執行者」とは?

「完璧な遺言書を書いたから、これで一安心」……実は、それだけでは不十分な場合があります。遺言書があっても、「亡くなった後に、誰がその内容通りに手続き(財産の分配)を動かすのか」が決まっていないと、残された家族が苦労することになるからです。 そこで重要なのが「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」の存在です。

遺言執行者は「遺言の実現を任された代表者」

遺言執行者とは、遺言書の内容通りに、預貯金の解約や不動産の名義変更などの具体的な手続きをすべて行う権限を持った人のことです。その権限は民法にも定められています。
(遺言執行者の権利義務)第1012条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 民法 第1012条第1項(遺言執行者の権利義務)
遺言書の中で「遺言執行者として〇〇を指定する」と書いておくことで、その人が単独で相続手続きを進められるようになります。

遺言執行者がいないと、結局家族が苦労することも

もし遺言執行者が指定されていないと、銀行の解約手続きや不動産の登記の際、「相続人全員の署名や実印(印鑑証明書)」を求められるケースが多々あります。これでは、せっかく遺言書があっても、手続きのために家族全員が動き回らなければならず、負担が軽減されません。遺言執行者を決めておけば、相続人全員を集めなくても手続きを進められ、家族の負担を大きく減らせます。

遺言書作成を「行政書士」に依頼する5つのメリット

「手続きが難しそう」「遺留分を侵害しない文面なんて作れる?」と不安になりますよね。そこで頼りになるのが、書類作成のプロである行政書士です。
  • メリット1:法的効力があり「遺留分」にも配慮した遺言書が作れる……あなたの「こうしたい」という希望を叶えつつ、後々の遺留分トラブルが起きないような財産配分や文面を、法律に基づいて設計します。
  • メリット2:感情面への配慮(付言事項など)のアドバイスがもらえる……単に財産の分け方を書くだけでなく、「なぜこの配分にしたのか」を家族に説明し、納得してもらうための「付言事項」の書き方も提案します。
  • メリット3:公正証書遺言の面倒な手続きを丸投げできる……必要書類の収集、公証人との文面調整、作成当日に必要な2名の「証人」の手配まで、すべて代行できます。
  • メリット4:死後の手続きを担う「遺言執行者」になってもらえる……行政書士を遺言執行者に指名しておけば、あなたが亡くなった後の名義変更や解約手続きを、プロが中立な立場で一手に引き受けます。
  • メリット5:弁護士などに比べて、比較的費用を抑えやすい……行政書士は「予防法務(トラブルを未然に防ぐ)」の専門家であるため、円満に解決するための書類作りであれば、比較的リーズナブルな報酬設定になっています。

行政書士に依頼した場合の費用相場

実際に行政書士に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。以下は一般的な相場の目安です。

1. 遺言書の「作成サポート」にかかる費用相場(生前)

  • 自筆証書遺言の作成サポート:30,000円 〜 70,000円
  • 公正証書遺言の作成サポート:70,000円 〜 150,000円
※これらは行政書士への報酬の目安です。公正証書遺言の場合は、別途、公証役場に支払う「公証人手数料」(財産の額と相続人の数で決まります。一般的に数万円程度)が必要になります。

2. 「遺言執行者」を依頼した場合の費用相場(死後)

行政書士を遺言執行者に指定した場合、実際に相続が開始された後に、遺言を実行する手続きの報酬が発生します。
  • 遺言執行の基本報酬:200,000円 〜 500,000円(または遺産総額の1%〜3%など)
※遺言執行の費用は、相続が開始された際、残された遺産(預貯金など)から支払われるのが一般的です。生前に大金を支払う必要はありません。なお、当事務所では(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。

まとめ:円満な相続のために、まずは無料相談を

遺言書は、あなたの人生の集大成である大切な財産を、最愛の家族へ円満に引き継ぐための「チケット」です。しかし、法的な不備や「遺留分」への配慮を怠ると、そのチケットが家族を苦しめる原因にもなりかねません。 「まだ早い」と思っているうちに、認知症などで判断能力が失われると、もう遺言書を書くことはできなくなります。元気で判断力がしっかりしている今だからこそ、将来の家族のために準備を始めるベストタイミングです。 行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)でも、初回のご相談は無料でお受けしています。相続相談400件超の経験をもとに、「うちの家族構成だと、遺留分はどうなる?」というご相談から、ご家族に合った遺言の残し方をご提案します。無料相談はお電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームから。オンライン相談にも対応しております。

出典

遺言書の作成手続きの全体像は、遺言書の作成ガイドでまとめて解説しています。