労働者協同組合の設立方法|3人から届出でつくる要件と手続きを解説

介護、子育て支援、地域づくり——「みんなで出資して、話し合いながら、自分たちで働く」。そんな新しい働き方を実現できるのが、2022年10月に始まった労働者協同組合です。株式会社やNPO法人と違い、認可がいらず、届出と登記だけで作れる手軽さが特徴です。 この記事では、労働者協同組合の設立要件・手続きの流れ・費用を、法人手続きを数多く扱う世田谷区大原の行政書士・藤原友事務所が分かりやすく解説します。

労働者協同組合とは——3つの基本原理

労働者協同組合は、次の3つの基本原理で運営される非営利の法人です。
  • 出資:組合員が出資すること
  • 意見の反映:組合員の意見を事業の運営に反映すること
  • 労働(従事):組合員自身がその事業に従事すること
これらの基本原理は、労働者協同組合法に定められています。
(基本原理その他の基準及び運営の原則)第3条 組合は、次に掲げる基本原理に従い事業が行われることを通じて、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的とするものでなければならない。 一 組合員が出資すること。 二 その事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映されること。 三 組合員が組合の行う事業に従事すること。 労働者協同組合法 第3条第1項(基本原理)
利益(剰余金)は出資額に応じてではなく、「事業にどれだけ従事したか」に応じて分配(従事分量配当)します。出資額に応じた配当はできません。 この点が、出資の見返りを目的とする会社との大きな違いです。

設立の主な要件

  • 発起人(組合員になる人)が3人以上労働者協同組合は3人以上で設立できます。
  • 組合員が出資すること(全組合員が出資します)。
  • 組合は、原則として組合員と労働契約を結ぶこと。
  • 組合員の議決権・選挙権は、出資額にかかわらず平等(1人1票)であること。
発起人の人数は、法律で次のように定められています。
(発起人)第22条 組合を設立するには、その組合員になろうとする三人以上の者が発起人となることを要する。 労働者協同組合法 第22条(発起人)

「自分のケースだと、どうなる?」と思ったら,読み進める前にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

設立の流れ

労働者協同組合は、行政庁の認可が不要な「準則主義」で、次の流れで設立します。
  1. ステップ1 定款の作成
    発起人が、名称・事業・出資などを定めた定款を作ります。
  2. ステップ2 創立総会
    開催の2週間前までに日時・場所・定款を公告し、創立総会で定款の承認・事業計画・役員の選任などを議決します。
  3. ステップ3 理事への事務引継ぎ・出資の払込み
    選任された理事に事務を引き継ぎ、組合員は出資の払込みをします。
  4. ステップ4 設立登記
    出資の払込みが終わった日から2週間以内に、法務局で設立登記をします。この登記によって組合が成立します。
  5. ステップ5 行政庁への届出
    登記のあと2週間以内に、主たる事務所のある都道府県知事へ、登記事項証明書・定款・役員名簿を添えて成立の届出をします。
なお、創立総会の開催と事前の公告については、法律に次の定めがあります。
(創立総会)第23条 発起人は、定款を作成し、これを会議の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。 2 前項の公告は、会議開催日の少なくとも二週間前までにしなければならない。 労働者協同組合法 第23条第1項・第2項(創立総会・公告)

費用

  • 設立登記の登録免許税かかりません(非課税)
  • そのほか、登記事項証明書の取得費用などの実費がかかります。行政書士に依頼する場合の報酬は別途ですが、(正式なお見積りはご依頼いただく前にご提示しますので、ご安心ください)。

企業組合・NPO・一般社団との違い

似た制度に企業組合やNPO法人がありますが、企業組合やNPO法人が行政庁の「認可・認証」を必要とするのに対し、労働者協同組合は届出と登記だけで設立できるのが大きな違いです。また、労働者協同組合は「組合員が自ら働く」ことを前提とする点にも特徴があります。ほかの法人・組合との比較は、法人・組合の種類と違い一覧|会社・一般社団・NPO・協同組合を比較もご覧ください。市民活動が中心ならNPO法人の設立という選択肢もあります。

労働者協同組合設立の無料相談を受け付けています

行政書士・藤原友事務所(世田谷区大原)では、労働者協同組合の設立を、定款の作成から創立総会の運営、設立登記後の届出まで一貫してサポートしています。「地域の活動を法人にしたい」「どの法人の形が合うか分からない」という段階からのご相談も歓迎です。無料相談はお電話(03-4500-1030)またはお問い合わせフォームから。オンライン相談にも対応しております。

出典

会社設立・法人化の全体像は、会社設立の総合ガイドでまとめて解説しています。