相続する人(法定相続人)の順番・範囲と,相続する割合(法定相続分)
今回は、法定相続人の決まり方と、相続する割合について説明します。
中学校の社会の授業などで学んだ記憶がある方もいらっしゃるのではと思います。
遺言が無い場合に、法律(民法)で定められている分け方になります。
法定相続人の順番・範囲
相続人が誰かを特定する順番・範囲は次のとおりです。
- 子供がいれば、子供(子供が亡くなっていれば孫)
- 子供がいない場合、父母(父母が亡くなっていれば祖父母)
- 父母もいない場合は、兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっていれば甥姪)
そして、配偶者(夫や妻)はどの場合でも相続人になります。
法定相続分(相続する割合)
次に、それぞれの場合で、相続する割合が異なります。
1の場合 | 配偶者1/2 | 子供1/2 |
2の場合 | 配偶者2/3 | 父母1/3 |
3の場合 | 配偶者3/4 | 兄弟姉妹1/4 |
配偶者が居ない場合は、1の場合は子供だけ、2の場合は父母だけ、3の場合は兄弟姉妹だけで等分します。ただし、3の場合で半血兄弟姉妹が居る場合、彼らの相続分は、全血兄弟姉妹の半分の割合となります。
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
民法第900条(法定相続分)
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
なお、かつては、同じ子供であっても、非嫡出子(結婚していない人との間の子(愛人との子))は嫡出子(結婚している人との間の子(妻との子))の半分の割合になるよう分けることが決められていましたが、平成25年9月5日以後に発生した相続においては、その割合は平等になりました。
子供は、生まれてくるときに両親が結婚しているかどうかを選べないですからね。
若干本題から逸れます。
法定相続人の順番・範囲と相続する割合が分かることで、遺言をどうするかの方向性が見えると思います。
将来,実際に相続が発生したらどうなるか(法定相続の場合)についてシミュレーションをし、その場合の不都合を予防するために遺言などの法的な制度をどう活用するべきかについて、悩みや不安がおありの方は、是非ご相談下さい。
今までに当事務所で受けた遺言・相続に関する相談件数は300件を超えました。
皆様それぞれご事情が異なりますので、一概にこうすべきという答えはありませんが、依頼者の方にとって最善の方法をご提案できればと思います。
また、他の記事もご活用頂き、将来起こり得る相続についてよく検討し、場合によっては話し合って頂き、家族仲良く過ごして頂けたらと思います。
なお、既に発生した相続の手続きについても、司法書士や税理士と連携して迅速に業務を行います。