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行政書士法が新しくなりました!今回の改正のポイントを解説

皆さん、こんにちは!今回は、行政書士制度がどう変わるのか、その背景や目的、具体的な変更点について、一緒に見ていきましょう。ちょっと難しい話も出てきますが、かみ砕いてお話しするのでご安心ください。

今回の法改正は、時代の流れや社会の変化に合わせて、行政書士の役割をよりはっきりさせるために行われるものです。主な目的は3つ。

  • 行政書士の「使命」と「職責」を明確にすること。
  • 特定行政書士という専門家が、もっといろんな仕事ができるようにすること。
  • 行政書士の資格がない人が勝手に仕事をするのを防ぐために、罰則を強化すること。

これによって、行政書士制度がより使いやすくなり、皆さんの生活がもっと便利になることを目指しています。


I. 行政書士の「根本」が変わった!使命と職責の明確化

今回の改正で、行政書士という仕事の「根っこ」の部分が、さらにしっかり定義されました。

1. 行政書士の「使命」が新しくなりました(新第1条)

これまでの法律では「行政書士の業務の適正を図る」ことが目的だとされていましたが、これからは「国民の権利利益の実現に資する」という、もっと積極的で具体的な役割が「使命」として掲げられます。

これは、「私たちは単に手続きを間違えないようにするだけじゃなく、皆さんが困っていることを解決し、権利を守るために貢献する専門家なんだよ」という、行政書士の存在意義を改めて法律で示したものです。国民の皆さんからの期待に応えられるよう、行政書士の役割がより明確になった、ということですね。

2. 行政書士の「職責」が新設されました(新第1条の2)

この新しい条文では、行政書士が仕事をする上での具体的な責任が定められました。

  • 品位と専門性を守る義務

    「常に品位を保ち、法律や実務に詳しくなって、公正かつ誠実に業務を行いなさい」と、はっきり書かれています。これは、皆さんの大切な権利を扱う専門家として、高い倫理観と専門知識を持ち続けることが求められる、ということです。信頼される行政書士であるために、常に勉強し続けることが大切になります。
  • デジタル社会への対応義務

    さらに、今回の改正で特に注目すべきは、「デジタル社会の進展に合わせて、IT技術を活用し、国民の利便性を高めるように努めなさい」という条文が加わったことです。電子申請のサポートやオンライン相談、業務のデジタル化など、行政書士も時代の流れに乗って、よりスムーズで便利なサービスを提供していく必要がある、と法律で示されたわけです。

II. 業務の幅が広がる!特定行政書士の専門性強化

行政書士の業務範囲にも変更があります。特に、特定行政書士の役割が大きくなります。

1. 行政書士の基本的な業務(新第1条の3)

従来の行政書士の業務内容は、新しい条文番号に変わりますが、やるべきことはこれまでと変わりません。役所に提出する書類を作ったり、それにまつわる相談に乗ったりといった、いつもの業務が引き続きメインとなります。

2. 特定行政書士の業務範囲が拡大!(新第1条の4第1項第2号)

これまでは、特定行政書士が不服申立ての手続きを代理できるのは、「その特定行政書士本人が作成した書類」に関する場合に限られていました。

今回の改正で、この部分が「行政書士が作成することのできる書類」に変わります。

これは、例えば「一旦、本人が申請した(その特定行政書士本人が当初は関わっていなかった)けど、不許可になったので不服申立てをしたい」場合でも、特定行政書士が代理できるようになる、ということです。

これによって、より多くのケースで専門的なサポートを受けられるようになります。国民の皆さんの権利を守るための選択肢が増え、手続きがよりスムーズになることが期待されますね。

3. 特定行政書士の付記について(第7条の3)

行政書士が特定の研修を修了して特定行政書士になると、「特定行政書士だよ」と登録に追記されます。この部分の参照条文も、今回の業務範囲拡大に合わせて変更されました。


III. 業務の制限と罰則が厳しくなる!

行政書士の資格がない人が、勝手に仕事をするのを防ぐための規定も強化されました。

1. 業務制限の規定が明確に(第19条第1項)

「行政書士じゃない人が、お金をもらって行政書士の仕事をしてはいけない」というルールが、より明確になりました。今回の改正で、「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という言葉が追加され、無資格者がお金をもらって業務を行うことが、はっきり規制されることになります。

ただし、他の法律で認められている場合や、総務省令で定められた簡単な手続きについては例外とされています。これは、デジタル社会の進展に合わせて、柔軟な制度運用をしようという配慮からです。

2. 罰則規定の整備

違反行為に対する罰則も、より具体的に、そして実効性が高まるように整備されました。

  • 信用失墜行為の禁止(第10条)

    「行政書士の信用や品位を傷つけるようなことをしてはいけない」という条文のタイトルが「信用失墜行為の禁止」に変わりました。また、これまであった「誠実にその職務を行い」という言葉は、新設された職責の条文(新第1条の2)に移されたので、スッキリしました。
  • 業務制限違反に対する罰則の新設(新第21条の2)

    行政書士でない人が報酬をもらって行政書士業務を行った場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。これまでよりも厳しい罰則が適用されることで、無資格者による不適切な業務から皆さんを守り、行政書士制度の信頼性を保ちます。
  • 虚偽申請に対する罰則(第21条)

    資格がないのに、嘘の申請をして行政書士として登録された場合も、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処されることが明確になりました。
  • 両罰規定の整備(第23条の3)

    さらに、今回の改正では両罰規定が整えられました。法人の代表者や従業員が違反行為をした場合、違反した本人だけでなく、その法人自体にも罰金刑が科されることになります。組織ぐるみで不正を行うことを防ぐための、重要な変更です。

IV. 行政書士法人に関する規定も整備

行政書士の「法人」に関するルールも、今回の改正に合わせて見直されました。

1. 行政書士法人の設立(第13条の3)

行政書士は、新しい条文番号で定められた業務を行う目的で、行政書士法人を設立することができます。もちろん、この条文番号の変更に合わせて、関連規定も修正されました。

2. 行政書士法人の業務の範囲(第13条の6)

行政書士法人は、定められた業務を行うほかに、定款で定めるところにより、特定の業務を行うこともできます。特に重要なのは、先ほどお話しした特定行政書士の業務(不服申立ての代理業務)は、「特定業務」として、その業務を行うことができる特定行政書士が社員としていなければ、法人はその業務を行うことができない、と明確にされた点です。これで、法人としての専門性と責任がしっかり担保されることになりますね。

3. 行政書士に関する規定の準用など(第13条の17、第13条の21)

法人の活動においても、個人の行政書士と同じように、使命や職責、その他重要な規範が適用されます。また、一般社団法人や会社法の規定も、行政書士法人の運営に準用されることになりました。これは、法的な安定性を確保するための措置です。


V. 日本行政書士会連合会および附則

最後に、日本行政書士会連合会の会則や、法律の施行に関する規定についてです。

1. 日本行政書士会連合会の会則(第18条の2)

連合会の会則に、「特定行政書士の研修に関する規定」がきちんと盛り込まれるように、参照条文が修正されました。これは、行政書士の専門性を高めるための研修制度がしっかり運用されることを担保するものです。

2. 附則

  • 施行期日(附則第1条)

    この法律は、2026年1月1日から施行されます。改正法が公布されてから新しいルールが適用される日まで、準備期間があります。
  • 罰則に関する経過措置(附則第2条)

    法律の施行前にした行為に対しては、これまで通りの罰則が適用されます。法律が遡って適用されることはないので、ご安心ください。
  • 社会保険労務士業務に関する経過措置(附則第2項)

    今回の改正法施行時にすでに社会保険労務士の業務の一部を行っている行政書士については、当分の間、その業務を続けることが認められます。急激な制度変更で混乱が起きないように配慮されていますね。
  • 犯罪収益移転防止法などの一部改正(附則第4条)

    行政書士法の条文番号が変わったことに合わせて、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」など、関連する他の法律の規定も整合性が取れるように修正されました。
  • 建築代理士に関する経過措置(附則)

    建築代理士については、当分の間、条例の定めるところによって業務を行うことが認められています。これも、既存の制度から新しい制度へとスムーズに移行するための特例措置です。

いかがでしたか?

今回の改正は、行政書士の役割をより明確にし、国民の皆さんの利便性を高めるための重要な一歩と言えそうです。

行政書士制度の健全な発展と、皆さんの権利利益を守るために、新しいルールが始まります。