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エンディングノートと遺言・成年後見・家族信託等との比較

はじめに

こんにちは。世田谷区で行政書士をしております、藤原友(ふじわらゆう)と申します。

今回は、近年巷で話題の「エンディングノート」について、遺言等と比較し、共通点と相違点を中心に書きたいと思います。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、いわゆる「終活」すなわち人生の終わりに向けた活動の一環として書かれるもので、自身が死亡したときや、判断力あるいは意思疎通能力が喪失したときに希望する内容を記すものです。

このようなものが求められる時代背景として、少子高齢化や地域社会における繋がりの薄弱化が挙げられます。

自身が亡くなる前後において、子孫世代への負担を減らす目的で書く方が多いです。

遺言等との関係

それでは、エンディングノートは遺言、死後事務委任、成年後見、家族信託と何が違うのでしょうか。

次の表をご覧下さい。

項目 発効時期 対象 法律による強制力
終活 遺言 相続開始後(亡くなった後) 自分の財産の分け方
死後事務委任 亡くなった後 自分の代わりに様々な事務を頼む
成年後見や家族信託 認知症等により判断能力が低下したとき 自分の財産の管理や運用
エンディングノート 亡くなる前後 手続き等の要望全般、書き方も自由

分かりやすく言えば、

  1. 亡くなる前に財産の管理を頼むのが成年後見や家族信託
  2. 亡くなった時点で財産の分け方を指示するのが遺言
  3. 亡くなった時点での手続きを頼むのが死後事務委任
  4. 財産を含め、手続きの背景や目安を書く(上記3つの隙間を埋める)のがエンディングノート

ということになります。

エンディングノート_時系列

終活の優先順位

終活を考える際の優先順位を記載します。私が携わってきた経験をもとに重要順に並べましたが、あくまで目安です。

まずは亡くなった後に財産の分け方でモメるのを防ぐために遺言を書きます。

次に、亡くなる前の認知症対策として家族や専門家との間で成年後見契約または家族信託契約をします。

さらに、亡くなった後の手続きを頼める身内が居ない、あるいは手続きが多いことが想定されるようであれば、死後事務委任契約をします。

最後に、これらから漏れた部分を埋める、あるいは包括的に1冊に終活の全てをまとめるためにエンディングノートを書きます。

エンディングノートを終活のロードマップとして活用する

これからゆっくりと終活をしようということであれば、前記4番のエンディングノートと並行して、前記1〜3番を進めていくことで、エンディングノートがロードマップのような役割を果たしてくれるでしょう。

エンディングノートの利用方法

エンディングノートへ記載することがらは自由です。その人それぞれ、書きたいことを書けばOKです。

  • 家族への思いを日記や手紙として綴る(遺言に付言事項を書く場合は、矛盾しないよう気をつける)
  • 自分史を書く
  • エンディングノートと言えども、まだまだ人生は長いと思われるため、これからの目標や夢も書く
  • よりカジュアルに、普段用の手帳の一部として使う(亡くなったときなどに見てもらえるような工夫が求められるかもしれません)

エンディングノートや遺言、相続手続きに関するお問い合わせは、お問い合わせページよりお待ちしております。世田谷区、渋谷区、杉並区、大田区、川崎市は無料出張相談も可能ですので、お困りのことがございましたら、お尋ね下さい。

また、オリジナルエンディングノートのPDFファイルもご希望頂ければお渡しできます。